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Kenの日記
by Ken
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■コシ・ファン・トゥッテ:さいたまシティオペラ 


さいたまシティオペラ18回公演の「コシ・ファン・トゥッテ」を聞いてきました。会場は南浦和の「さいたま文化センター・小ホール」。12日から始まった3日間公演の第2日目です。左手の舞台の袖に伴奏ピアノ。指揮者が最前列の列の中央に陣取っていました。

キャスト

フィオルディリージ:稲見裕美
ドラベッラ:見崎千夏
デスピーナ:谷川深雪
フェランド:谷川浩之
グリエルモ:原田圭
アルフォンソ:杢子淳

結論から言うと、非常に丁寧な作り・心のこもった演奏で、良いオペラ(劇)を聞いたという感慨で非常に嬉しくなりました。帰りは電車を使わずに歩いて帰ってしまいました。原語はイタリア語のはずですが今日は「中山悌一」訳の日本語上演。衣装こそ洋風ですが、訳詩が良かったせいもあるのでしょうが、日本人が日本語を歌うのは非常に自然で違和感がありませんでした。むしろ日本語の方が感情移入がはっきりするし、洒落や台詞が音楽と演技にぴったりはまっていたと思います。

オペラを見てくると「誰が良かった、誰の声が出ていなかった」などという感想を持つのですが、今日は別でオペラ全体が面白かったと思います。日本語上演なので「訳」を見る必要もなく、内容がしっかり把握できたと言う理由もありますが、今日のオペラの作りが素晴らしかったことが最大の理由だと思います。「チームワークの良さ」と演技、衣装、舞台装置が非常に丁寧なものになっていたことが公演を素晴らしいものにしていたのだと思いました。

チームワークと言うと、フィオルディリージ役の稲見さんとフェランドの稲見さんが御夫婦であることもひとつの要因であるかもしれません。二人の姉妹、二人の親友、二人の仕掛け人(アルフォンソ・デスピーナ)のコンビが非常に息が合っていたことも特筆されます。またそれぞれの登場人物の性格の描き分けがしっかりできていたと思います。二重唱の場面は非常にバランスが良かったと思います。

このようなオペラでしたが土曜日の午後の公演、それも小ホールなのに空席が目立ちました。本当にもったいないと思いました。内容が内容だけに小中学生に聞かせるオペラではありませんが、もっと多くの人に聞いてもらいたい水準だったと思います。
09月13日(土)
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