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Kenの日記
by Ken
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■レニングラードオペラ「カルメン」

師走の最初の日曜日。ものすごく混雑している渋谷の文化村のオーチャードホールでレニングラードオペラの「カルメン」を見てきました。開演が日曜日の午後4時。昼下がりの渋谷駅・ハチ公前・道玄坂本当に人が一杯でした。目がクラクラする感じでした。オーチャードホールは久しぶりです。やはり狭い印象。エスカレータ・エレベータの場所が分からないし、ロビーは狭いし、女性トイレは満員。もう少し改善されないのかしら。
「カルメン」ですが、C席3回なので双眼鏡(オペラグラス)が大活躍しました。音は以外にも良く飛んできました。幸い正面席であったので舞台は隅々まで見えました。今日がオーチャード、明日が文化会館なので大掛かりな作りつけの装置ではなくて、分解して持ち運べる舞台でした。
今回は「メトのバルツァ」版と対訳本で結構事前勉強しました。しかし分かってくるとかえって表現が難しいことにも気づきました。とにかくカルメンとホセの感情表現は難しいです。「カルメンがどうしてそんなに魅力があるのか」そして「カルメンが本当はホセに対してどんな感情を抱いているのか」これがはっきりしなければオペラの筋が見えません。
今日のカルメンの「ナタリア・ビリュコーワ」さんは良く通る声で好演していたと思います。カルメンの純粋さと妖しさを表現していました。声は「スニガ」役の「アレクサンドル・マトヴェーエフ」さんと双璧で3階席まで余裕で通っていました。「ホセ」役のワシリー・スピチコさんは3幕までは力を温存していた感じです。この「ホセ」がどうしても「坂上次郎さん」に見えてしまい困りました。4幕では力強い声を聞かせてくれました。ストーリーは全体通して比較的分かりやすくまとめられていました。4幕のホセとカルメンのやり取りは迫力がありました。
バレエ団も一緒に来ているらしく随所に見事なバレエが散りばめられていました。これはロシアのお家芸ともいえるもので素晴らしいものです。間奏曲と共に目を楽しませてくれました。チャイコフスキー的になっていましたが。
今回の招聘元は「光藍社」です。ロシアとか旧共産圏のオケ・オペラを得意とする会社のようです。レニングラードの他にもキエフオペラとかワルシャワとかソフィアとかを呼んでいます。ドイツ・オーストリアのオペラは値段が高くて手が出ませんが、旧共産圏のオペラは値段の割りに品質が高いと思います。今日の舞台も国産のオペラを考えればまあ安いものだと言えます。今後も暫くこの種のオペラを聴きたいと思いました。
12月02日(日)
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