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Kenの日記
by Ken
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■ナポリ2日目:歴史地区散策
「光と影」を巧みに使って劇的な画面構成を得意とする「カラヴァッジョ」がナポリに移り住み画家達に影響をあたえたことから、ナポリ派も「光と影」を使った多くの作品を残しました。しかし残念ながら「カラヴァッジョ」のような天才は現れませんでした。逆に絵は全体に「暗く」なり、作品のモチーフはイエス・聖人の受難伝説をこれまで以上に残酷に表現するような少し異様な世界に入っていってしまったようです。美術館に展示されている絵画の多くがこのような範疇の作品なので正直言って見て回ると「気が滅入り」ました。この感想はサンマルティーノ修道院の印象と全く同じです。これからこの司教座美術館をナポリ観光に目玉にしていくためには、もう少し古い作品を多く展示するなど作品の選択に配慮する必要があると思いました。
「有名店マッテオのピザ」
お昼まで少し時間がありましたが少し早い方がレストランが空いているだろうと考えて早めの昼食をとりました。ドゥオーモからも近いトリブナーリ通りにある人気ピッツェリアの「マッテオ」でピザを頂くことにしました。ナポリピザ二軒目です。昨日の夕御飯を少し食べすぎたので、昼は「マルゲリータピザ1枚」と「白ワイン小瓶」を注文しました。地元でも人気があるピザ店だけに「マルゲリータ」は本当に美味しかったです。
隣で食べていた観光客が普通のピザを一人一枚食べ終えた後にマッテオ名物の「揚げピザ」も注文しました。全部は食べられそうに無いということでその名物ピザを少し分けてくれるというので、お腹の調子と相談して少しだけ切り分けて貰って試食しました。正直言うと少し油っぽくて普通のピザの方が格段に美味しいと思いました。
「ナポリ・スリグループに遭遇」
マッテオで食事を食事を終えて次の訪問地の資料を見ようとリュックサックに入れておいたファイルを探すとファイルがありません。どこかにに忘れたかと考えましたがそれも思いつかないのでホテルに置いてきたのではないかと考えてホテルに戻ることにしました。ドゥオーモ通りからそれほど離れていないので「C2」バスでホテル近くまで戻ることにしました。このバスの中で今回の旅で忘れられない思い出となった「ナポリスリ団」に遭遇したのでした。その詳細を以下に記しておきます。
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そのバスはナポリセントラル駅から観光名所のサン・カルロ劇場を往復する「観光客」も良く利用する路線です。私達の乗ったバスは大変混雑していて、私達夫婦も後ろの扉から乗ってバスの中でギュウギュウ詰めになりました。忘れ物を取りに行くという「目的」があったので混雑バスを遣り過ごすという知恵は働きませんでした。
スリは集団行動で獲物を追い詰める作戦に出ました。或る者は切符に日付を押すことを口実にして動き、また別の者は次の停留所で降りる振りをして私を押して、妻と引き離そうとしました。この時に訳の分からないイタリア語で大声で話しかけるので、こちらは困惑してしまいます。私のリュックには金目の物は入れて無くポケットの財布には私は始終手を当てていることを感知したスリ集団は妻に目的を絞ったようでした。
スリ集団は先ほどの撹乱戦法で妻と私の間に何人かの人の壁を作ることに成功しました。さっきから私を押していたリーダらしい男が中心になって妻を取り囲んでいる様子が見えました。これが私達が降りる一つ手前の停留所のことです。「不味い」と思って最終停留所手前で私が強引に動いて困惑する妻をスリ集団の輪から引っ張り出しました。丁度停留所に着いたのでそのまま直ぐに停留所に降りました。妻は脇腹のあたりから伸びたスリの手に気付いていて、肩掛け鞄のチャックを1/3程開けられたところで鞄を体の反対側に引っ張ってスリの手から逃れたとのことでした。
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09月10日(水)
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