ID:83698
日刊・知的ぐうたら生活
by schazzie
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■マキャモン浸りだが、オースターの話も・・・
先日、買おうかどうしようかと、うだうだ悩んでいた、マキャモンの本が届いた。本が届いた時点では、今日はオースターの新刊の話をメインに書こうと思っていたのだが、図書館で借りていたマキャモンの本(今日届いたものと同じ)を早速返しに行ったところ、また別のマキャモン作品(『マイン』)を見つけてしまい、性懲りもなく借りてきてしまったので、もうすっかりマキャモンに浸ってしまって、オースターの新刊など、意識外になってしまった。
読了した『スワン・ソング』も感動的だったし、ホラーも嫌いじゃないかも・・・というか、これはホラーなんだろうか?たしかに得体の知れないデーモンのような生き物とか、凄惨なホロコーストの場面とか、ホラーであるとする描写は十分すぎるほどなのだが、ホラーというのは、だいたい悪が勝つものじゃないのか?と思う。マキャモンの作品は、邪悪なものが完全に滅びるとは言い切れないまでも、最後には正義や聖なるものが勝利して、ハッピーエンドになるのだから、後味がスッキリしている。だから私はマキャモンをホラー作家とは思わない。
「キング、クーンツに続く第三のホラー作家」といわれるマキャモンだけれど、キングの世界ともクーンツの世界とも違って、作品に何か人間的な温かみを感じて、マキャモンていい人なんだなあとしみじみ思ってしまう。キングなどは、邪悪なものを書かせると素晴らしいのだろうが、正義とか聖なるものの描写が下手だ。というより、合ってない。無理に善を描こうとすると、どこかぎこちなくて変なのだ。だから、キングは邪悪なものを描くことがテーマなのだろう。しかしマキャモンは、邪悪なものを描きながらも、テーマは善なるもの、聖なるものについてなのだ。だからいつもどこかに、光が射しているのだろうと思う。
さて、一応オースターの新刊についても。
Amazonのレビューには、「対応する原書が存在しない」と書かれているが、「この本丸ごと1冊」という意味ではそうだ。しかし、最初のほうは 『The Red Notebook』、『Why Write?』、『Hand To Mouth』と、対応する原書が存在しているエッセイの一部が収録されている。ちなみに、この3冊は未翻訳。
オースターはこのところ何冊か、一般から寄せられた「トゥルー・テイルズ」を編集しているが、この本は、そういうものとはまた別で、オースター本人が体験した「トゥルー・ストーリーズ」ということらしい。
〓〓〓 BOOK
◆読了した本
『スワン・ソング』(下)/ロバート・R・マキャモン
内容(「BOOK」データベースより)
7年前までミズーリ州と言われた地に住む、スライ・ムーディの家を訪れた旅芸人の中に「ヨブの仮面」と呼ばれる腫瘍に顔を覆われた少女がいた。少女が触れたリンゴの木は、またたく間に生命を取り戻した。木に刻まれた彼女の名前は、S…W…A…N。"輪"に浮かぶ掲示に導かれるシスター達、ロシアの来襲を妄想し狂気の軍隊を進軍させるマクリン大佐とローランド、復興に向かう人びとの心を再び荒廃と狂気に引き戻さんと暗躍する「深紅の目の男」、あらゆる者たちの運命の糸が、次第にスワンのもとにより集められていく。世界の再生と破滅をかけた聖と邪の激突の行方は…。ホラーの枠を超えたマキャモンの現代の聖杯伝説はここに円を閉じる。
※画像は原書 『Swan Song』
◆Amazonから
『トゥルー・ストーリーズ』/ポール・オースター \2000
単行本: 268 p ; サイズ(cm): 182 x 128
出版社: 新潮社 ; ISBN: 4105217089 ; (2004/02/26)
出版社/著者からの内容紹介
これらはすべて本当の話――
遭遇した作家自身さえ信じられない、驚くべき現実の物語。
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