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日刊・知的ぐうたら生活
by schazzie
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■プランテーションツアー
ところで脱線するが、オークアレイに入る前に、ミシシッピ川の堤防に上って、川を見渡した。実は蒸気船デルタ・クイーン号が入っていると、ここに車を止めることはできないそうで、「今日は運良く入っていないので、ここからミシシッピ川が見れますよ」ということだったが、私としては、歴史的記念物であるデルタ・クイーン号をぜひ見てみたかったなと残念に思った。私にとっては運が悪かったことになる。

さてオークアレイでは、まず昼食をとった。すでに用意されているので、好みも何もないわけだが、メニューはサラダ、シュリンプ・クレオール、ブレッド・プディング、アイスティーである。これがまたレストランで食べるといった雰囲気ではなく、いかにも家庭料理を味わっているかのような暖かな感じのおいしいお料理だった。私の中では、ガンボ・ショップのクロウフィッシュ・エトゥフェと甲乙つけがたい。

デザートのブレッド・プディングは、甘いし量が多いせいもあったが、皆残していた。でも実のところ、甘いものの嫌いな私でもおいしいと感じ、できれば全部食べたかったくらい。でも、「こんなに甘いもの、食べられない!」と、北海道の人たちが言い出し、無言のうちに「だから太るんだよ」と言われている気がして、残さざるを得なかったのだ。悔しい!でも、暑かったし、アイスティーは何杯もお代わりをした。

昼食が終わってから、いよいよお屋敷の中を見学。サンフランシスコでもそうだったが、ここでも長くてふんわりしたフープスカートをはいた女性が説明をしてくれる。

ここで不思議だと思ったのは、ベッドや椅子などのサイズが小さいこと、テーブルの高さが異常に低いことだ。そして建物全体もこじんまりしたサイズである。これはサンフランシスコも同様。なぜなのかと尋ねたところ、昔のアメリカ人は小さかったのだと言う。たぶん私にはちょうどいいくらいのサイズだが、現在のアメリカ人には、まるでおもちゃのように見えるのではないだろうか。

映画「長く熱い夜」で使用された部屋も見た。全くあのままである。しかし、あとでおみやげ店に行ってみると、その部屋で撮られた幽霊の写真のポストカードが売っていた。さもありなん。この屋敷に入った時から、私は何か奇妙な感じがしていたのだ。

とある部屋の前の椅子にじっと座っていた、古びた黒いスーツを着たおじいさん。あれは本物だったのか?この暑いのに、黒いスーツというのも奇妙だが、家具には触ってはいけないということになっているのだから、座るなんてもってのほかじゃないの?

さらに、この屋敷の2代目の持ち主のお墓を見に行き、その正面に立った時、体にビビっと電流が走り、これはなんなの?と思っていたのだ。けして不気味ではないのだが、何とも奇妙な感じがした。たぶん、あそこにはいるだろうな。ゴーストが。

屋敷の中の見学のあと、自由に庭を散策。年月を経た樫の大木は、それだけで賞賛に値する。初代の持ち主が結婚するにあたり、妻が気にいるだろうと思って、この樫の並木のある土地を購入したそうだ。ということは、ここの樫の木は、屋敷よりも古いということである。何ともロマンチック。その一方で、奴隷売買の跡があり、当時売買されていた奴隷の値段が書いてあったりして、そうした多くの魂が、その木々に宿っているのではないかとさえ思えた。

帰り道は特になにもないので省略。

ホテルに戻ったところで、まゆみさんが部屋に来た。その時、窓の外を見たまゆみさんが、「正面の建物は小泉八雲が住んでいた家ですよ」と教えてくれた。八雲がこのホテルの近くに住んでいたことは知っていたのだが、まさに私たちの部屋の真向かいの建物だったとは!

しかし、今やそこはストリップ劇場である。夜になるとけばけばしいネオンがつき、イカした半裸のオネイチャンが店の前に立っている。場合によっては、ステージまで見えるときがあったりして・・・。にしても、八雲が住んでいた時と同じなのだろうから、あの窓から八雲もこちらを見ていたんだろうかなどと思うと、ちょっとドキドキ。熱狂的な八雲ファンでなくて残念。


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06月10日(金)
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