ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■酒と涙とオヤジと太もも。
この土日はおっさんソフトボールチームの活動で潰れてしまった。
土曜日は練習試合、日曜日は本番の大会で、結果から先に言ってしまうと相手が勝ったりウチが負けたりな結果であった。
土曜日はずっと曇っていて時々雨がポツポツ落ちてきて天気は悪かったけれどもその分暑さは控えめで比較的やりやすかった。それに比べて日曜日は思いっきり快晴。暑いぜ暑いぜ暑くて死ぬぜな容赦ない日差しで、補欠でほとんどベンチにいた僕ですら立ってるだけで疲労度がハンパなかった。
ましてやレギュラー陣となるとキャッチャーが熱中症でぶっ倒れるし他のメンバーも回を追うごとに目に見えて守備の動きが悪くなりエラーを続出していた。そしてバッティングもしょぼくなり、日照りはカンカンなのに打線は思いっきり湿ってるぜえ…という体たらくであった。
「高校野球っていつもこんな中頑張ってるんだな〜。俺たちもがんばんべ!」
「無理無理無理。俺らオヤジだし。ピチピチ高校生と比べられてもな〜」
そんな感じで日曜日がヘロヘロだったのは暑さによるものが大きかったが、要因はもうひとつあった。土曜の練習終了後にみんなで飲みに行ってしまったのである。もちろん飲む前は
「明日の景気づけにサクッと飲むだけだから7時には帰るぞ!」
と何度も何度も念押しをして飲み屋に入った。飲む前の約束なんてヤル前の「さきっちょだけだから」ぐらい当てにならない。でももしかしたら今日こそは珍しくスッと引き上げることができるのではないか…と考えてしまうのが人情である。
早く飲むべ、と目星を付けた店に行くとまだ開店15分ぐらい前で準備中であったが、のれんを持って出てきた気のよさそうな兄ちゃん店員が
「イイッスよ」
と入れてくれて宴会開始。
「ここはビールとハイボールが安いんだよ!」
とこの店を推して僕らを連れてきたオヤジが言う。なるほどビールが290円でハイボールが190円だ。僕は最近ハイボールが好きなので頼んでみたところ
「薄っ」
値段相応に薄過ぎて悲しくなった。
「ちょっと、値段高くてもいいから濃くしてくれない?」
先ほどの兄ちゃん店員に頼んでみたところ
「値段倍になっちゃいますがハイボールダブルってのがありますよ」
「じゃあそれで!」
190円が倍になったって380円だ、僕がそれを頼んだら他のオヤジたちも続いた。
座敷にあぐらをかいて、何杯か飲んでいるうちにいい感じに酔っ払ってきた。
「失礼しまーす。生お待たせしましたー」
ふと後ろから女性の声が聞こえてきたので座ったまま後ろを振り向いてみると、僕の目の前にいきなり生太ももがどーんと現われたではないか!
見上げてみるとショートカットの可愛い女の子店員がにっこり笑っていた。綺麗なおみ足は下半ケツがはみ出るんじゃないかってぐらいのデニムホットパンツからにょっきりと伸びており、ふとももから足の指までふとももももももものうちである。
さっきまで兄ちゃん店員しかいなかったのにいつの間にこんな綺麗どころが…と、しばらく見惚れてしまっていたらしく
「ちょっと!目がヤバイ!視線がわいせつ罪!」
などと言われてしまった。名札には「のっち」と書かれており、
「のっち!ハイボールダブルおかわり!」
わざわざのっちを呼んで頼むようにしたら、みんなも調子こいてのっち、こっちもハイボールダブル、のっち、おじさんにもハイボールダブル、のっち、明日ソフトボールの応援に来てよ、とのっちと接触したいがためにオーダーしまくるオヤジ達になってしまった。当然7時までの約束など吹っ飛んだ。
そんなわけでしこたま飲んだハイボールのせいで二日酔いになった僕らオヤジ達は
「あー…まだ酒残ってるわー。のっちのせいで全てが狂ったわ―」
翌、日曜の早朝から暑さにやられる前から酒にやられていたのであった。
そして試合。僕がバッターボックスに立つ。相手のピッチャーは七色の変化球を持つと定評のある剛腕ピッチャー。なんでそんな野球マンガみたいなのがこんな枯れたオヤジばっかのチームにいるんだよっ。
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07月22日(水)
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