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エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■東武鉄道スマホないん。
ゴールデンウィークの間は栃木の実家に帰省し、6日に帰ることにしていた。
嫁は仕事があって来れなかったので、娘・R(11才)と息子・タク(9才)が宿題をサボらないよう、僕がケツを引っ叩いたり、タクが3DSをやり過ぎないよう見張っていた。
でも一番怖いのは嫁であり、鬼の居ぬ間のなんとやらで僕だとどうしてもなめられてしまい、3DSなどは高橋名人の教えに従い「ゲームは1日1時間」の掟があるのだけれども余裕で破られてしまっていた。Rも一応
「たっくん、やりすぎ」
と注意するのだが姉の言うことをまともに聞く弟ではなかった。
そんな帰省もあっという間に最終日の6日になり、電車で帰る時が来た。母と僕の弟に駅まで送ってもらって
「おばあちゃーん!やっちゃーん!(Rとタクは僕の弟のことをこう呼ぶ」
改札前で抱きついたり、やたらと名残りを惜しんで電車に乗った。東武線の快速浅草行き。僕らは終点ひとつ手前の北千住で降りる。それまで1時間ちょっと。
「幸手を去って、杉戸を過ぎて、春日部かすって、越谷越して、草加そうかと来た千住」
沿線住民にこんな小唄が伝わっている。途中駅をもじったもので、これで主な駅名を覚えたものである。
駅に来る前についうっかりレモン牛乳だのカントリーマアムとちおとめver.とかいろいろお土産を買ってしまい荷物が増えたので上の網棚に乗せた。混んではいたがなんとか座れ、タクはまた3DSをやっているが他にやることもないし仕方がない。Rは僕が最近あげたipod classicを気に入っていて、Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅを聴いてご機嫌であった。僕はスマホをいじりつつレモン牛乳を飲んだり。
春日部をかすった頃、だんだん眠くなってきてしまった。北千住までまだ30分ほどあるはずである。ちょっと眠ろう…と目をつぶった。スマホを落としそうになったので膝の上に置いた。
…はっと気付いたら窓の外には「北千住」。うっそおんけっこうガチで寝ちゃったの僕。
「やべえ北千住だ!お前ら降りるぞ!」
「えー!寝坊しないでよ!」
子供達にブーブー言われながら慌てて網棚の土産物を降ろし、その他のバッグなども抱え、何よりもRとタクも置き去りにしないようせっついてなんとか降りるのに間に合った。ていうか子供達よ。どの駅で降りるか、先ほどの歌を交えて教えているんだから僕が寝てても気付いてくれてもいいお年頃じゃないんですかね…と言っても後の祭りである。ガーガー寝ていたオヤジが何を言っても説得力なしである。おまけに
「あ、スマホがない!」
膝の上に置いていたからバタバタ降りる際に落としてしまっていたのだ!
「パパ何やってんの!」
「パパどうすんの!」
父の威厳は落ちるところまで落ちた。せめて冷静にいようと思い
「まあまあ、まだ慌てる時間じゃない。こういう時はね、慌てず駅員さんに助けを求めるのさ」
内心ドキドキで汗がダラダラなんだけれども、駅の事務所に行って
「ささささっきの快速の中にスマホ忘れてしまったんですけど!」
カウンター越しの駅員さんに食らい付く勢いでヘルプミー。優しい駅員さんはすぐさま次の停車駅である終点の浅草駅に電話をしてくれて、到着したら探してくれるよう手配をしてくれた。そして連絡が来るまでドキドキ待つ…そして、10数分後
「あったそうです。浅草駅に行ってください」
「ありがとうございます!」
なんということでしょう。無事駅員さんが見付けてくれたのだった。本当にありがたい。僕はうっかりものなので、時々こういう落し物をする。でもほぼ親切な誰かが届けてくれて無事戻って来る。そんな経験をしているので僕もスマホや財布を拾ったらちゃんと届けているけれども、もし
「スマホ落ちてるしw落としたヤツダサ過ぎ」
とか意地悪な人が拾ってわざと壊したり水にポチャンとかする可能性もゼロとは言えないので本当に助かった。。財布とか拾ったことがあるけれども、全て届けているから
「よし、じゃあ浅草行くぞ」
「あさくさ?」
子供達にそう言って改めて電車に乗った。
「覚えてない?浅草」
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05月09日(土)
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