ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■伊豆の泊まり子。
娘・R(11才)がウキウキしているのは、泊まりがけの移動教室が近づいているたである。
「あのねー。伊豆に行くんだよ」
「いいところに行くね」
「バスに乗って行くんだよ」
「いいじゃない」
「バス酔いするかなあ?」
「酔い止め飲んでいきなさい」
「泊まる場所はねえ…あ、名前忘れちゃった」
「なんだそりゃ」
などといちいち話しかけて来るので余程楽しみにしているらしい。東京から伊豆までバスで旅行してして、学校のみんなでお泊りか…そりゃ楽しいだろうなあ。
翌日もRの話題は移動教室だった。
「パパー!パパー!移動教室のことだけどねえ…」
今度は学校で配布されたらしい「しおり」を手にしており、
「泊まるところは○○○だって!」
とわざわざ教えてくれた。ホントに可愛いな。そういえば僕も5年生の時に同じような学校行事があった。但しバスなんかで行くのではなく、徒歩であった。近くの山の上にある少年自然の家でのお泊り。旅情もクソもなかった。ただソコソコは楽しかった。みんなでキャンプファイヤーしたり、女の子達から
「女子部屋に来い」
なんて手紙をコッソリ渡されてドキドキしながら忍び込んで遊んだ記憶がある。そして当時の僕は枕が変わると眠れなかったため一睡も出来ず、帰り道、生まれて初めて「寝ながら歩く」経験をした。これは僕の人生、後にも先にもコレ一回のみである。
「ところで、伊豆では何をやるんだい。海辺で遊ぶ?」
R達はどんなことをしてくるのか、ふと気になったので聞いてみたら
「海はあんまり行かない。シャボテン公園行くんだよ」
「なにー!それは、ココだ!」
どん。これは僕が好きなアイドル「Negicco」が大阪のアイドルグループと組んだ企画イベント「Negipesia」の曲である。このミュージッククリップの中にシャボテン公園が出ているのだ。
「ホントだ!シャボテン公園だ!わー。ねぎっこがシャボテン公園にいる!」
Rは超興奮していた。芸能人が行ったところに自分も行く…みたいなところにワクワクしているらしい。ホントに楽しそうで羨ましい。父が言えることは、思い切り楽しんで、親元を離れての生活から何か新しいものを学び取ってもらいたい。
少年よ、大志を抱け。
ぼー伊豆びーあんびしゃす。なんちて。
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09月13日(土)
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