ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■皿の色は うつりにけりな いたづらに
土曜日の夜、嫁は仕事からの飲み会で、娘・R(11才)はお友達のおうちでお泊り会だった。

いずれも女子会的なノリで羨ましかい。僕もオヤジ会的なお誘いがあったのだが彼女らに先を越されて行けなかった。何故ならば、息子・タク(8才)が残されてしまうからね…。

そんなわけで僕も息子と男子会的なものをしてみたいと思い、

「ふたりで寿司食いに行くか」

「行く!」

せめてうまいものでも食おうということで寿司屋に行った。勿論回転寿司である。回らない寿司屋と首も回らなくなってしまう。

「ボクねえ、カンパチも食べられるよー。」

「そうだね。マダイも食べてみるか?」

「えー。どんな味ー?」

「白身魚だ。おいしいよ」

「じゃあ食べる」

タクは寿司が好きで、特にマグロが大好きなのだけれども、他のネタもだんだん食べられるようになってきたのと、そのネタと名前を覚えるのが楽しくてしょうがないらしい。

「次、ヒラメも食べてみるか?」

「えー。どんな味?」

いちいち説明するのがめんどくなってきたので

「じゃあ最初にパパの分を頼むから、ちょっと食べてみよう」

「うん」

というわけで僕の分だけ頼んだら、

「それ、銀色のお皿だよ!高いんでしょ?だからいいよ!」

妙に遠慮することを覚えてしまっていた。うだつの上がらないオヤジだからそういう配慮
が自然に身に付いてしまってしまったのだろうか。金の皿の大トロなんか頼んだらひっくり返ってしまうだろうなあ。

食べながらタクは学校での出来事などを話してくれる。

「図書室にねえ、デビ夫人の本があったよ」

「うそお」

「ホントだよ!」

よく聞いてみたらキュリー夫人であった。

お前が頼んだのは金の皿の大トロですか?それと銀の皿のヒラメですか?それとも100円皿のかっぱ巻きですか?かっぱ巻きだけにキュウリ夫人ってやかましいわ。

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09月02日(火)
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