ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■「今何時?」子供→「いちだいじー」オヤジ→「そうね大体ねー」
しばらく風邪でくたばっていた僕である。
ちょっと前、台風11号が日本に上陸した日、娘・Rはこのたび11才になった。Rが産まれた時も台風が絶賛上陸中であったので、Rにはなにかと嵐が関連しているような気がする。まつじゅんとか。いやその嵐じゃなくて。炎のコマとか。そのあらしでもなくて。
誕生日といえばプレゼントであるが、Rはどんなプレゼントが欲しいか全然決まっていなかった。本当はニンテンドーDSで遊べるポケモンのお絵描きソフトがいいらしいのだが、ただでさえスケジュール管理が出来ないRと息子・タク(8才)にゲーム機なぞ与えられないため、それは却下。それに代わる候補がなかなか浮かんでこないのであった。
「とりあえずトイザらス行ってみる?」
「うん」
ということでおもちゃ屋で探すことにした。行ってはみたものの、Rの性格上、1時間ぐらいうろうろと店内を物色した挙句、結局
「ほしいの、ない」
となりそうな一抹の不安を持ちつつトイザらス店内に。確かに小学校高学年ぐらいの子が喜びそうなおもちゃってほとんどないんである。みんなDSとかスマホとかなんだろうなあ。いくらRが幼いとはいえ、さすがにシルバニアファミリーとかリカちゃんとかキツイものがある。
マンガの見本が付いたお絵描きパッドみたいなものはあったのだけれどもRにはイマイチのようだった。
「ボク、ポケモンカードが欲しいなあ」
どさくさに紛れて自分の欲しいものを言うタク。
「いや、今日はRの欲しいものを買いに来たんだからね!そこんとこヨロシク」
しばらくうろうろしていて、やはり長期戦になりつつあったので、UNOの遊び方を教えていたキレイな店員のお姉さんを眺めていたら
「妖怪ウォッチにする!」
ようやくRの欲しいものが決まったようだ。妖怪ウォッチときたか。とにかく子供たちの間で大人気である。いつもアニメを見ているし、春に行われた小学校の運動会では妖怪ウォッチのテーマソングで1年生がダンスしていただけでなく他の学年の子供達もみんなで大合唱していたし、妖怪メダルなるおもちゃは手に入れるために徹夜で行列しなければならないと聞く。
そういえば何年か前、仮面ライダーの変身メダルが超人気になったことがあり、タクのクリスマスプレゼントにするため、夜が明けないうちから並んだことを思い出した。それもこのトイザらスだ。
「あの時は大変だったんだぜ〜」
と子供達に思い出話をしちゃいそうになったが、サンタがのプレゼントだという設定だったので慌てて口をふさいだ。ていうかRとタクは未だにサンタを信じているのだろうか。
幸いRが欲しがったのは品薄なメダルではなかった。ぬいぐるみか何か…結構店内にわんさかある妖怪ウォッチグッズがいいのだという。
「これなんかいいんじゃない?」
と嫁がヒョイと選んだのはポーチ。

こんなんである。
「これはいくらRが幼いからって…5年生だよ?…5年生がコレ首から下げる?」
たぶん誰よりもRを子供扱いしているであろう(だって僕の子供だから!)僕ですら躊躇したが
「だいじょぶっしょ」
嫁はケロッとしている。おそろしい嫁!結局Rが選んだのはぬいぐるみであった。夜一緒に寝られる、えへへ、と笑うさまはやはりまだお子ちゃまだった。
妖怪ウォッチでよく出て来るキャラクター、ポケモンでいうところのピカチュウ的なメインキャラは「ジバニャン」という名前なんだそうだ。交通事故で死んでしまった猫の地縛霊が妖怪化したのだという。地縛霊の猫で、ジバニャン。
地縛霊というと、僕の世代だとつのだじろうの「恐怖新聞」的なガチな悪霊を思い浮かべるが、これは可愛いキャラだし値段も手頃だし、なかなかいいチョイスだと思った。何より決まらずにいつまでもグダグダという最悪の事態を避けられてよかった…と、レジに向かおうとすると、
「ボク、やっぱりポケモンカードが欲しいなあ」
カード売り場で地縛息子と化したジバタクが…。
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08月13日(水)
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