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エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■ピアノとアイドルと光が丘。
子供達のピアノ発表会があった。
もう3年目ぐらいだろうか。場所は光が丘のIMAホール。ここは春にも僕の大好きなアイドル、Negiccoのライブを観に来た。
その時は、ウチの子らがピアノを弾いたステージでNegiccoが歌って踊ってるなんて、と不思議な気持ちになったものだが、今回はNegiccoが立ったステージでウチの子らがピアノを弾くなんて、とまた不思議な気持ちになったりして。
娘・R(10才)と息子・タク(8才)はちゃんと弾けるかどうかドキドキする…かと思ったらそうでもない。
というのも、休日などは僕がふたりにピアノ練習をやれ、とよく言っているのだが、とにかくやらない。何度もやれと怒鳴りつけてようやく重い腰を上げたかと思ったらお互いそっちが先にやれ!、いやそっちだ!と擦り付け合うし、やっと始めてもすぐ休憩するとか言ってダラダラしてる。
そんなイヤイヤやってちゃ上達するわけねえだろ、むしろなんで続けてんだか、と醒めてしまっていたのである。いつもふたりの様子を見ている嫁も
「今年はヤバい。全然やりこんでない」
と諦め気味だ。そんなことを思っていたわけで。しかし口には出せない。栃木から母がワクワクしながら観に来ていたのでね…。
「うーん、きんちょーする…」
それでもタクは始まる直前、いっちょ前に緊張していた。おちゃらけモノに見えるようで、意外と小心者である。昔は泣いてたしな。それに比べてRはのほほんとしている。
「君は緊張しないのか」
「うん。だってRは本番に強いんだもん」
「本番に強いったってね、強くなるには普段からの積み重ねが大事なわけで…」
つい僕がそんなうるさいことを言ってしまうのは、Rは度胸があるのとはちょっと違うからだ。全く根拠のない自信、というか、そもそも緊張するほど頭が回っていないというか、頭がお花畑というか、そんな心ここにあらずみたいなボンヤリな雰囲気が少し怖い。
僕らは座席に座って、いろんな子供達の演奏を観ながら我が子の出番を待つ。そしてまずタクの出番がやって来た。あまり僕らには見せたことがないような緊張しつつよそ向きの笑顔で登場。
演奏の前に、それぞれの子供の名前を読み上げ、ちょっとした紹介をするアナウンス入る。事前に提出したアンケート用紙に書いた、将来の夢、先生からのひとこと、などが読まれるのだが、タクの場合、
「将来は、大金持ちになりたいです」
と読み上げられ、爆笑されてしまった。この日一番の笑い声だった…って、これ、去年と同じじゃないか!同じネタ書くな!そしてアナウンスの人も去年と同じネタ拾ってんじゃねえ!

タクの演奏は序盤は良かったものの、後はつっかえてグダグダ。予想通りの出来栄えだろう。序盤はよかったのにな〜ショパンだけにってやかましいわ。

そしてタクが終わって10人ぐらいの演奏の後にRが登場。なんと、本当に本番に強かった。ウチでの練習より良い出来になってしまうんだからこの子は分からない。本気になったら実はもっとすごいのか…?なんて思ったりしちゃったりなんかして。
ふたりの演奏が終わり、お疲れさん会と母の誕生日祝いを兼ねて寿司屋でゴハン。
「ボクはまぐろー!」
「Rはサーモン!」
と叫びながらバクバクと食べておった。そして腹が膨れた後、Rとタクが母におねだりしていた効果が表れて、タクはポケモンカード、Rは夏休みの読書感想文用の本を買ってもらうことになった。
なので本屋に行ってみると

「あ」
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07月26日(土)
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