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エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■修行するぞ!
息子・タク(8才)がはまっているポケモンカード。
先日「ポケモン竜王戦」という、全国各地で予選を行なった上で王者を決めるという大規模なカードバトル大会があって、それに参加して予選ボロ負けして帰って来た。
で、5月3日にまた「メガバトル」という大きな大会があり、タクは当然それにも出たがっていたので参加申し込みをしてしまった。
「今度は簡単に負けないよう特訓したい」
ということで、ポケモンカードの猛者どもが集まってバトルしているお店をネットで探した結果、秋葉原の某カードショップを見つけたので連れて行くことにした。そこでは今日バトルイベントが開催されるとのことで、タクはそれに参加したいと意気込んだ。勉強もこれぐらいムキになってくれればいいのに…。
タクに実戦経験が殆どない。百戦錬磨のカードショップ常連たちにボロクソに負けることであろう。
「君は初心者だから負けて当たり前だからな」
「うん」
ただ負けるからこそ相手の上手な戦い方や自分の弱点が見付かるはずだ。強い人には話しかけてみればいろいろ教えてくれるかもよ、そんなことを言い聞かせながら店に向かった。
店は雑居ビルの中にあり、上下階には萌え系マッサージとかメイド耳かきとか声優カフェとかJKカフェとか、秋葉原ならではの店ばかりだったので、タクの手前ちょっとだけ動揺した。どうせバトルイベントが始まったら子供ポケモン親ノケモンで、僕はやることないし、こっちの店にしけこんでいようかな…なんて。
店内には
「当店のお客様から竜王戦王者が誕生しました!」
などという、当店から1等3億円が出ました的な貼り紙と竜王戦優勝トロフィーが飾られてあり、ここがポケモンカードのメッカであることを知る。ただ店自体は古くて狭くて未整理のカードも溢れまくっており、混沌としていて薄汚いけれども。

一旦店を出て昼飯はラーメン。
「おいしい!今まで食べた中で3番目においしいラーメン屋さんだよ!」
とタクが絶賛。ラーメンオタクか。3番目て。
店に戻り、バトルイベントの開始時間が近づくにつれ、参加者であろう客が集まってきた。ほとんどが中学生〜社会人のツワモノっぽい常連で10人ぐらい、小学生以下はタクを含めて3人ぐらいか。父母姉妹4人でエントリーしている一家もいた。
人口密度が高くなり息苦しくなってきたので、ちょっと外の空気を吸ってくる、とタクに伝えて店を出、ビルの外階段を降りて行くと、途中階の踊り場で突然制服姿の女子高生とバッタリ鉢合わせしてしまい、めちゃくちゃビックリしてしまった。彼女はかったるそうに襟元のリボンを結び直している。
本物の女子高生じゃなくてJKカフェとかの店員なんだろうな、とか考えていたら、もの凄い怖い顔で睨まれてしまったので、慌てて逃げた。どうやら物珍しくてついガン見してしまっていたようだ。ていうか、降りて外に出ようとしていたのに、慌てていたのでまた昇って店に戻ってしまったし。

そんなわけで大人しくタクの対戦模様を眺めていた。やはり負けてばかりだったが楽しそうでありホッとした。相手からアドバイスをもらったりしていて、以前の負けて号泣していた頃と比べると成長したと言える。これだけで連れて来てよかったと思えた。
タクが対戦した中で一番速く負けた相手は、父母姉妹で参加していたうちの、タクと同学年くらいの女の子であった。思わず
「強いねー。何年生?」
と声をかけたらタクのひとつ上、4年生だという。そして嬉しそうに
「今日、家族で札幌から飛行機で来たの」
と言うのでびっくりしてしまった。
「すごいね。まさか、この店に来るため…じゃないよね。はは」
一家そろってカード大好きだからそれも有り得るかも、なんて聞いてみたら
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05月01日(木)
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