ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
[5183109hit]
■おはヨーグルト。
ある休日のお昼時。
「なに食べたい〜?」
と嫁。ゴハンを作る気はあまりないようだ。
「マック!」
娘・R(10才)と息子・タク(8才)がすさかずそう答えた。
「私もそれでいいかな」
嫁も子供達がそういうのを見越していたようだ。しかし僕は
「えーマックー?」
マック赤坂は好きだが食べるマックはあまり好きではない。お腹が膨れないからだ。やはり米でないと腹持ちが良くない。日本人なら米を食え!そう主張したところ
「じゃあ、あなただけひとりどっかで食べてよ。そんで帰りにマックで買ってきて」
サクサクと嫁に指示されてしまった。ゴハンを別々に食べるとは…家庭断絶の危機を感じたのだが、やっぱマックだとあんま食指が動かないなー、ということで折れた。
「じゃあラーメン食べてくるよ」
ひとり寂しくラーメンを啜ることにした。ていうか米じゃないし。
そんなわけで昼飯調達にレッツラゴー。めんどいことに、最寄りの駅前にあったマックがちょっと前に閉店してしまったため、隣駅の店舗まで行かなければならない。
隣駅前のラーメン屋でガッツリ食べた後、マックに入った。レジではベテラン風のおばさんが立ち、接客をしていた。
その後ろにドリンクサーバーがあり、その周りをちょっとオロオロした動きでドリンクを作っている女の子がいた。すんごい可愛い女の子で、年の頃は高校1、2年生ぐらい、動きも表情も結構テンパっており、まだ入ったばかりの初々しい感じである。
嫁と子供達が買って来いと言っていた中にもマックシェイクチョコがあり、その女の子が作ってくれていた。きっとまだ慣れてなくて、覚えることも一杯あって一生懸命なんだなー、頑張る可愛い女の子はオジサン大好きだ…と甘酸っぱい気持ちで一杯になったままウチに帰った。
「早く食わせロー!」
飢えた野獣のタクは僕が差し出すとすぐバクバクと食べ始めた。そしてマックシェイクチョコを飲むと
「なんだこりゃー!酸っぱい!」
と騒ぎ出した。すわ異物混入かと緊張が走り、タクの手から奪って飲んでみると
「…思いっきりヨーグルト味だね…」
バッチリヨーグルトの味と匂いが混じっている出はないか。
「なんなのこれ?」
嫁は容器のフタを開けて、チョコシェイクとヨーグルトシェイクがブレンドされてるさまを確認した。タクは
「チョコが飲みたいよううううう。ヨーグルトまずいよううう」
と泣き出す。
「そんなんで泣くな!」
嫁はなんでこんなことになったのか訳が分からないようだったが、僕には分りやすすぎた。
「すっごいカワイイ子がすっごいオロオロしながら作っててさあ…僕そういうの大好きだからガン見してたんだけど、まさかそこにワナがあったとは…」
と嫁に説明すると
「なんだそりゃ!早く替えてもらってきて!」
また隣駅のマックにすっ飛んで行かなくてはならなくなった。タクよ、こっちが泣きたいぞ。
ただ、カワイイ子ちゃんが謝ってきても
「いや、そんなに気にしないで」
と、ベテランオバサンに怒られないようなるべくフォローするつもりであった。すなわちええかっこしいをしてみたいなあウヒョヒョと店に入っていったら…。
…カワイイ子ちゃん、もういなかった。休憩なんだろうか、もうシフト上がっちゃったのだろうか。フツーにさっき接客をされたベテランオバサンに説明し、フツーに謝られフツーに新しいのに替えてもらった。
さすがにちょっと一口飲んで、うん、今度はちゃんとチョコだ、と確認した。カワイ子ちゃんがいなかった寂しさのため、ネガティブなことが頭に浮かんでくる。
あのカワイイ子ちゃんも、すぐイケメンのバイト同僚やイケメン常連客とかに目を付けられて、
「君が欲しい。テイクオフで」
「それを言うならテイクアウトでしょ」
とか言って食われちゃうんだろうなあ…と。
甘酸っぱい気持ちになったらシェイクも実際甘酸っぱかったという話。
応援クリックお願いします↓
[5]続きを読む
03月25日(火)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る