ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■ソフトボール・オン・デマンド
日曜日はおっさんソフトボールの練習の日であった。

とても寒かったので、

「今日のような寒い日に運動するのは体によろしくない。やめるべき」

とサボろうとしたが、同じ都内では東京マラソンが絶賛開催中であり、ぐうの音も出なくなったので重い腰を上げた。

「どもー」

と僕を含めたオッサン達が学校の校庭に集まり、練習を開始する。正直なところ、ソフトボールが大好きで入ったわけではなく、むしろ体動かすのキライだし勿論ソフトボールもオッサン達の中でトップクラスのヘタクソなんだけれども、ご近所との繋がりを大切にしているため下手でも続けている。

「パパー」

しばらくすると娘・R(10才)と息子・タク(8才)がやって来た。校庭で遊びたかったらしい。追いかけっこをしたりうんていによじ登って遊んでいた。

やがてオッサン達は練習の合間の休憩となり、ちょうど備品のグローブが余っていたので、タクに

「キャッチボールするか?」

と誘ってみると

「うん!」

なんか子犬が全力でボール遊びするような食い付きのよさでニコニコと得意げにボールを投げたりキャッチするではないか。

そういえば、僕の父親は僕と弟とキャッチボールをしたかったらしく、わざわざグローブまで買い与えられてよく外に連れ出されたものである。しかし前述のとおり僕は体動かすのが大嫌いだったため、嫌々やっていたらある日

「魚が死んだような目をしてるな」

と父親にブチ切れられてしまったことがある。で、今は僕が父親なのだけれども、イヤイヤやってるぐらいだから当然タクにもそんなことをしたことはなかったのだけれども、タクはこういうのが好きみたいである。

もっとこういうことをやってやってればよかったなー、とすまない気持ちになる。タクの性格は僕よりも僕の父親に近いところがあるので、好きなんだろうなあ…。一方、

「Rもやる?」

と聞くと

「やんない」

即答。Rは僕似のようだ。

そんなわけでオッサン達及び子供達と体を動かしつついい気分になれても、やっぱり早く練習切り上げて飲みに行こうぜ、と思う僕なのであった。

校庭ではヘタクソでも飲み屋では皇帝になりたいのです。

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02月24日(月)
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