ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■バカメロン伝説。
嫁が近所のおばさ…じゃなかったご婦人たちと飲み会だというので、この日の晩ご飯は僕と子供達の3人で食べることになった。

どっか食いにいくべか、と子供達を連れて行こうとしたところ

「ステーキガストがいい!」

娘・R(10才)がもの凄い勢いで食らい付いてきた。ステーキガストはたまに行くファミレスで、Rはそこが一番お気に入りのようだ。

「あー…ステーキガストねえ…」

ファミレスってどこで何食っても同じ味で面白くも何ともないんだよな…と渋っていると

「前行ってからだいぶ経つからそろそろいいでしょ!」

珍しくRが強く迫るので、押し切られた形になってレッツラゴー。店に入るとRと息子・タク(8才)は

「ねえ、取ってきていい?」

すんごいウキウキした顔でサラダバーに向かって行った。この子達はサラダバーで好きなモノを好きなだけ自分で取ってくるのがバイキングみたいで楽しいようだ。一番のお気に入りの理由もこれらしい。

とはいってもサラダバーなのに野菜は全く手を付けない僕ら。僕はカレー、タクは食後のデザートとしてアイスを鬼のように食べまくる。

そしてRが何よりも楽しみにしているのは、メロンだった。固くてやっすい、ニガウリみたいなメロンだけれども、それでもRはここに来る度に何個も何個もおいしいおいしいと言って食べるのだ。

その姿を見る度に、もっと美味しいメロンを食べさせてやりたいなあ…と悲しくなる僕である。それもここに来たくない理由のひとつである。

今日もバクバク食べるんだろうなあ…と思っていたら

「パパー、大変だ!」

タクが慌てた顔で僕を呼ぶ。どうした、こぼしたか、と思ったら

「メロンがなくなってる!」

なんと、以前までずっとメロンがあた場所にメロンの姿はなく、替わりにリンゴがドカッと盛られているではないか。メロンがリンゴにすり替わってしまったのだ。

「なんでええええ!」

Rはここ2年ぐらいで一番激しい怒りを見せた。

「まあまあまあ、今はメロンの季節じゃないんだよ…」

と必死で怒りを静めようとする僕。

「だってさー…」

「ほら、君が頼んだハンバーグも来たしさ、食べようよ」

「うん、ハンバーグも好き」

腹が減って気が立っていたのもあるのだろう、食べるうちにようやくいつものRに戻った。食べ放題のカレーやパンやデザートも食いまくり、タクがパンパンになったおなかをポンポンと叩き、

「ボクのお腹に赤ちゃんがいるんだよ」

とかおバカなことを言う。おバカならRも負けてはいないので

「あら、男の子かしら?女の子かしら?」

ツッコミ役がいない、ボケまくりのコントのような芝居を始めたので

「よし、もう帰るぞ」

とっとと引き上げることにした。

「メロンは残念だったな」

帰ってからRに言うと

「ううん、メロンのためだけに行きたかったわけじゃないから」

そんなことを言う。いやー、あの怒り方は相当だったけどなあ。

メロンのことはあきらメロン。なんちて。

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01月21日(火)
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