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エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■買い物ブギ。
近所の商店街でガラポン(福引)が始まるという、新聞の折込チラシが入っていた。
チラシ自体が抽選券になっていて、商店街のお店3店からスタンプを押してもらうと、1回福引ができるというルール。もちろんスタンプを押してもらうにはお買い物をしなければならない。
僕なら季節の風物詩だなあ、と、チラシはそのまま古紙回収になってしまうのだが、そうは問屋は卸さない子供達がいた。
「福引やりたい!買い物に行こう!」
娘・R(10才)と息子・タク(8才)がめちゃくちゃやりたがっているんである。何故かというと、毎年の賞品に、一番多い赤玉(参加賞)になると、マクドナルドが出しているポケモンのカレンダーがもらえるからである。それが目当てなのだ。
ウチはそんなにくじ運がよくないので、だいたい参加賞になるので毎年ほぼポケモンカレンダーをもらっている。しかし去年はタクが参加賞のひとつ上を当ててしまった。賞品は商店街商品券500円。
「お、よかったな。すごいじゃん」
とほめたのだけれども、
「ポケモンカレンダーほしいいい!」
タクみるみるうちに泣き出してしまったのである。
「いや何泣いてんの、コレはお金の500円と同じだよ。マックで使えるんだよ。ポケモンカレンダーは350円だよ。マックでこの500円券出してポケモンカレンダー買えばあら不思議、ポケモンカレンダーももらえるし150円のおつりももらえるぜ!」
と、いくらなだめて説明しても、
「やだ。500円券はいらないからポケモン!!」
聞いちゃいねえ。マックで買えば…とかではなく、もうこの場でポケモンカレンダーがもらえないのが何よりも悔しくなってしまったのである。すると見るに見かねた係のお姉さんが
「特別ね。誰にも言っちゃダメよ」
とこっそりカレンダーをくれたのだった。あのお姉さんは素敵だったなあ。お姉さんに僕の赤玉出るまでお付き合いしたかった。
さて、今の話に戻る。
「ボクねえ、床屋さんに行きたいな」
タク早速はお店のスタンプをもらいに行く気満々だ。何しろ福引が始まるまで髪を切るのを待っていたというのだから、どんだけワクワクしてんだお前。
「Rはねえ、本屋さんに行きたいの」
タクだけではなく娘・R(10才)もワクワクだ。
「あなたはゲーセン行ってもらって来てよ」
更に嫁の指示も飛んだ。商店街の思惑通りにずっぽりはまってしまっているウチら家族は商店街に繰り出すのであった。
床屋では
「もちょっと切ったほうがいいんじゃない?」
「やだ!」
なかなか自分の髪型にこだわりを持つタクとやり合いながら床屋さんでスタンプをペッタン。
次にゲーセン。僕はかつてビートマニアとDDRにどハマりし、毎日ゲーセンに入り浸っていたので、その頃からの顔なじみ店員さんがいるのだ。だから嫁に行って来いと言いつけられた。
どもー、と店員さんに声を掛けてペタペタ押してもらう。しかしタダではルール違反なので
「なめこ!欲しい!」
ちょうどタクがUFOキャッチャーに入っていた「なめこ」のぬいぐるみを欲しがっていたのでコインいっこ入れる。なかなか難しい…といくらかぶっこんでいたら、店員さんがやって来て、チョンと一押しすれば穴に落ちてくるぐらいの位置にずらしてくれて見事ゲット。
次なるターゲットの本屋では、Rがやはり「なめこ」の本を買ってスタンプをもらう。なめこ好き姉弟。
「1番欲しいのはこの本だけど、1,000円で高いからちょっと買えないの。だから650円の本にするの」
自分の小遣いで買わせたので、まだ4ケタの買い物をしていないRは1,000円の値段にビビっていたのが可愛かった。なのにタクは
「コロコロコミック買って〜?パパのお金で」
自腹を切る気などサラサラなく、ずうずうしくおねだりする。当然僕が却下すると、なめこを抱きながらいじけた。
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12月18日(水)
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