ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■遅れたバースデーケーキ。
息子・タク(8才)は、10月の頭に誕生日をとっくに迎えたのだけれども、セレモニー的なものをひとつだけやっていなかった。
それはバースデーケーキである。いつもだと好きなキャラクターを描いてもらったケーキを注文するのだが、今年はなかなか決まらず、ようやく決まったのが誕生日をとっくに過ぎた先週のことであった。
迷いに迷った末、タクが選んだキャラはポケモンのカビゴンであった。タクが言うには、このデブキャラなところが抜群にカワイイらしい。タクは太めのキャラクターが好きな傾向がある。
ついこないだの運動会でも、ポケモンじゃなくて、タクがカワイイと絶賛する女の子を見ることが出来たのだが、どんな美少女かと思ったら、本人には失礼だがカビゴンっぽいというか、雲竜型というか、「ぽっちゃり」という言葉ではフォローしきれない逞しい感じであった。
で、そのカビゴンのイラストをケーキ屋さんに渡して作ってもらうよう頼んだのが先週で、遂にこの日引き取ることが出来た。
「カビゴンできてるかな…」
ワクワクするタクをケーキ屋さんに連れて行き、
「お待ちしておりました」
と店員さんに見せてもらったところ

「カワイー!」
タク、お店で大絶叫。
「あはは、ありがとうございます」
とお店の人も笑うが、僕は正直舌を巻いていた。過去も何度か頼んだことがあるけれども、どうやってこんな上手に描けるのだろう。
ケーキは晩ご飯の後に食べることに。ロウソクをタクの年の数、8本立てて火を点けて、ハッピーバースデーの歌を歌おうか、という時に
「ハッピーバースデーはRが演奏する!」
娘・R(10才)がピアノで弾くのだ、と言い張るので、弟のために演奏するとはなんていいお姉ちゃんなんだろう、そして、Rの演奏でみんながタクの誕生日を祝いハッピーバースデーを歌う、なんて、ほのぼのとした家庭でいいな、などとそのシチュエイションに感動してしまって
「よし、弾いとくれ」
とRの演奏を始めさせてみたら、
「はっぴ、はっぴ、はっぴ…」
余りにも超下手で全然進まず、
「そこは高いレー!」
嫁はブチ切れて楽譜引っ張り出してくるわ、
「早くしないとロウソクが全部燃えちゃうよ!」
タクも悲鳴に近い叫び声を上げるわで全然感動的なファミリーじゃなくなってしまった。Rもあんなに自信満々で演奏するって言うから、僕も当然弾けるだろうと思ってたが大間違いであった。まあRらしいっちゃらしいが…。
ケーキはおいしくいただいた。カビゴンの絵はケーキ本体とは別に、ホワイトチョコのプレートで出来ていて、タクが
「かわいそうだから」
となかなか食べることが出来なかったが、
「はじっこだけ食べよう…」
端の余白部分だけ削って食べようとフォークを刺したら、ものの見事に真っ二つに割れてしまったので
「もういいや」
あっさり食べられてしまった。ケーキ本体は半分残ってしまったので
「これは明日食べようね」
ということにしたが、お店の賞味期限シールは「本日中にお召し上がり下さい」と書かれていて、
「やっぱ日持ちしないんだよ。クリームも劣化するしね」
と嫁がブツブツ言いながら冷蔵庫にしまっていた。カビゴンのケーキだからってカビがはえませんように。
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10月29日(火)
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