ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■ファッションモンスター。
仕事から帰って来ると、子供達は歯を磨いていた。
娘・R(10才)が歯ブラシをくわえながら
「あにょねえ、こうがっこうがねえ」
などと意味不明なことを語っており
「歯を磨き終わってからしゃべりなさい」
と洗面所に追い返すと、しばらくしてから戻って来て、改めてしゃべり始めた。
「あのねえ、今日学校がねえ、特別に短かったの」
「ほう」
「午後の授業はナシだったの」
「ふうん」
「給食もなかったのよ」
「へえ」
「それで、午後ママとお買い物行ったよ」
「はあ」
「じてんしゃで」
「うん」
「そこでね、お洋服買ってもらったの!じゃじゃーん。これとこれとこれとこれ」
Rは嬉しそうに叫んで新しい洋服を僕に見せびらかした。やっとRが一番言いたかったことまで辿り着いたようである。なっが…。
「ははは、かわいいね」
おそらくRがあれでもない、これでもない、と一生懸命選んだ服は、可憐でカワイイ。リボンやらヒラヒラがついていたり、キレイな刺繍が施されたり。当然のことだが、僕のようなオッサンが着るのとは大違いである。こないだ僕が買った服なんか、「ぬののふく」と書かれたTシャツである。
「明日このズボンを履いていきたいんだけど、上はどういうのがいいかな?」
早速明日おニューのズボンを履いていきたいのだと言う。その色が小麦色というか薄い茶色系だったので、
「うーん、黄色とか、暖かい色の服がいいんじゃない?」
などと適当に言ってやると
「うん、じゃあこれはどうかなあ」
とタンスの中から僕が言ったような色の上着を引っ張ってきて、ズボンと一緒に試着してみて姿見を眺め、
「あ、これでいい。」
どうやら僕の見立ては合格点だったようで
「かわいいね」
と僕が言ったのも満足したようだ。オヤジにどの服がいいかなんて聞いてくるの、今のうちだろうなあ…。かわいいものである。Rが年頃になった頃、僕が服を選ぶなんてのはオカマのスタイリストじゃあるまいしムリだが、せめて
「パパ、似合う〜?」
なんて、いつまでも見せびらかしてもらいたいものである。そんな希望の意味を含め、敢えてベタなこのダジャレでしめくくらせていただく。
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10月24日(木)
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