ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
[5183118hit]
■三途の川のマーメイド。
3連休は栃木の実家に行っていた。
栃木に行く度に、娘・R(10才)と息子・タク(7才)は、
「プール行きたい!」
絶対そう言うんである。別に高級ホテルのシャレオツなプールとかじゃなく、流れるプールとかそういうレジャー施設でもない。市が運営している、ゴミ焼却場の余熱を利用したごくごく普通のプールである。それが実家の近くにあって、そこでひたすらストイックに泳ぐのが好きなのだ。
出不精で体を動かすのがキライな僕としては当然泳ぎたくないし、いつ来ても利用者のだいたい9割方を占めるお年寄りが、ゆやーん、ゆよーん、と水中ウォーキングしているか、マンボウのようにのそーっと泳いでいるかであり、ダッダーンボヨヨンボヨヨンな女の子など見たことはなく、ビジュアル的にも全然面白くない。だが子供には付き添いが必要なので仕方なく僕もプールに入らないといけないのだ。
今回も栃木に着いてからすぐプールに向かった。着替えて泳ぎ始めると、電車の長旅で退屈していたRとタクはまさに水を得た魚で、特にRなどは早速ブクブクと潜ってったと思ったらしばらく戻って来ず、大丈夫か?と思ったら30秒ほどしてがばっと上がってきて

「ウニいねえ!」
あまちゃんごっこをしてはしゃいでいた。
「としまえんとは違って、ここは真面目に泳ぐプールだからふざけちゃいけないよ」
「夏婆っぱ、ウニいねえど!」
「誰が夏婆っぱだ!」
僕もせっかく入ったのだから運動しておくか、デブ化も進んでいるしな、と思い、お年寄りに混じってゆやーんゆよーんと歩いてみた。なんだか三途の川を渡っているみたいで非常にブルーな気分になったので25メートルでやめた。
あとはRもタクも真面目に泳ぎ、2時間ぐらいが彼等の体力の限界なので、頃合いを見計らって
「そろそろ上がるぞー」
と引き上げて着替えて帰ろうとすると、
「パパ、アイス買ってー」
これも絶対言うんである。もう何度も来ているので自販機コーナーにセブンティーンアイスがあるのを知っているのだ。
「ああ、セブンティーンアイスはもう撤去されちゃってないからダメね」
とウソをついても
「うそつけー!あるじゃん!」
猛ダッシュで自販機コーナーに走って行ってしまったので誤魔化せなかった。あんだけ泳いだのに体力あるなあ…。おのれ、ナイナイシックスティーンじゃなくてあるあるセブンティーンか…。
夏の(もう夏じゃないけど)プールの後のアイスって超おいしいよね…。僕も子供の頃の夏の思い出として、プールとアイスはセットで覚えている。この子らも将来
「小さい時に親父にプールに連れてってもらって、帰りに食べたセブンティーンアイスがうまかったなあ…」
なんて懐かしんでくれる時が来るのかしら…とか思いながらつい買ってやってしまった。後で嫁に
「あっらー?アイス買ってもらっちゃってるのー?」
って言われるんだけどまあよい。ふたりがワクワクしながらどれにしようかなー、と、こちらが思わず寝てしまいそうになるぐらい迷った挙げ句選んだアイスをペロペロしているのを見て、僕も食べたくなったのだがガマンである。
体重がセブンティになりそうなので…。
応援クリックよろしくです↓
←これだけでもいいので押してね。
←こちらもできれば。
はてなアンテナに追加
09月25日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る