ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■スメル男。
このブログではもう何度も書かれているやりとり…。

僕が仕事から帰って来ると、

「においをかげー!」

娘・R(9才)と息子・タク(7才)が麻薬犬のように飛んできて鼻をクンカクンカして僕のにおいをかぐ。そして

「パパのにおいだ!本物です」

本物だと認定されるとようやくウチの中に入ることを許される。どうやら僕に化けた何者かが入ってくることを想定しているようだ。しかし最近は

「パパのにおいじゃない!ニセモノだー!」

とタクに言われてなかなか入れてもらえないのである。においが違うって言われても、どうしようもないじゃないか。なんだろう、においが違うって。死臭でも漂っているのだろうか。え、僕、死ぬの?

いや、死臭って相当キツイのでそれは冗談として、加齢臭がますます濃くなったとか…とか、いずれにしてもダークな考えにしか行かないので軽く落ち込みつつも、先が見えてきた人生、せめて子供には優しく接しようと、

「タクはいつもの通り少年のにおいだね」

と頭を撫でてやると

「うん、やっぱりパパもいつものパパだよ!」

タクは急に猫撫で声になって手のひら返しをした。いい加減な嗅覚だなあ。

「じゃあRはどんなにおいなの?」

そのやりとりを見ていたRが自分はどうなのかと聞いてきたので

「Rは…かわいいにおいだよ」

「そっかー!じゃあママは?」

嫁?嫁は…年相応のおばさんのにおいかな…などと言うと身もフタもないので

「ママは…女の子のにおいだよ」

と答えておいた。するとタクが

「ママ!きいて!女の子のにおいがするって!」

台所で洗い物をしていた嫁に怒鳴って聞かせるではないか。よし、僕のリップサービスをしかと伝えてくれ…と内心ほくそ笑んでいたのだが、

「誰が?」

と嫁が聞いてきたのに対し、タクは

「パパが!」

とか返事してしまった。タクは「ママは女の子のにおいがするってパパが言ってた」と言いたかったのだろうけど…。

「おいこら、それじゃパパが女のにおいをさせてるみたいじゃないか!」

「はあ?」

嫁が胡散臭い顔をこっちに向けたのも無理はない…。いやいやこれこれこういうわけで…と必死に弁明したのだが、嫁は顔をこちらに向けず皿を洗っていた。

今後、においをかがれて本物だと認定されてもウチの中に入れてもらえなかったりして。

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08月09日(金)
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