ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■聞かずの散髪。
髪が伸びたなー、と思っていたら息子・タク(7才)も伸びていた。

「夏だからまたボウズにしてやろうか」

毎年、タクは夏になると頭が野良犬のようなニオイになるので、小さい頃は僕がバリカンで丸坊主にしていたのだ。うまく坊主頭を仕上げると、キレイな天然芝の野球場を完成させたみたいで達成感があるので好きだ。

「やだ」

しかしタクは小学校に上がってからは坊主頭はイヤだという。いっちょまえにカッコつけているようだ。

「じゃあパパとふたりで床屋に行って来なさいな」

そんなわけで嫁に「とっとと行って来い」と嫁に追い出された。タクの手を引いて行ったのは高級千円床屋。まずタクを理容椅子に座らせて、

「横と後ろはかりあげにしちゃって下さい」

もともとボウズにするつもりだったので短くしてくれ、と理容師に伝えたところ

「かりあげやだ!」

またもやタクからイヤだとの声が。からあげは好きなくせに。結局、

「じゃあ、かりあげにならないくらいの短めで…前髪はまゆげかかるぐらいで…耳は出しちゃっていいです…」

それ普通のボッチャン刈りじゃん、みたいな注文で落ち着いた。で、僕も切ってもらっていたところ、タクが先に終わって

「お父さん、いかがですか」

と仕上げを見せに来た。

「うん、いいですね。サッパリしてよかったね」

クリクリのボッチャン刈りになったタクは

「うへへ」

本人も満足そうだった。

「パパが終わるまで待ってて」

そう伝えるとタクは順番待ちの席に座り、本棚からドラゴンボールのマンガを取って貪るように読み始めた。数分後、僕も終わった後

「パパも終わったから帰るぞー」

と言ってもなかなかマンガから目と手を離さなくて…。

「じゃあひとりで帰ってこい」

置いていくフリをして店を出ると、しぶしぶマンガを本棚に戻して着いて来た。

「ねえ、よく見たら前髪短すぎじゃない?オデコ広すぎになっちゃってるよ」

家に帰ってからタクは改めて自分の姿を鏡で眺め、いっちょまえにそんなダメ出しをする。

「いーんだよ、それぐらいで、カワイイよ」

「やだー、やっぱり短いー」

「お前はさっきからヤダヤダとしか言ってねえなあ!」

「だってー」

「切っちゃった髪は戻らないよ」

それでもっつうのなら、ドラゴンボール集めてこい、ってか。

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08月02日(金)
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