ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■星に願いを。
七夕の日、子供達は笹の葉に短冊を結び付けていた。
願い事を一生懸命考えたらしい。どんだけビッグな願い事なのかと思ったが、娘・R(9才)のを見てみると
「来週のピアノの発表会で間違いなくひけますように」
一生懸命考えたわりにはちっちゃ。目先のことで頭がいっぱいらしい。そして息子・タク(7才)のは
「ポムポムプリンと同じベレー帽をかぶりたい」
というこれもつつしまやかなものであった。ウチの子達は質素なんだなあ…。いつかこの手に、つかむぜBIG MONEY、とか、
純白のメルセデス、プール付きのマンション、最高の女とベットでドン・ペリニヨンとか、ないんかねえ…。実際僕の人生はは純白のママチャリ、ヤモリ付きの貧乏長屋、閉口の女とベッドでドン・ガバチョ、ぐらいが関の山なんだけど…。

ちなみにポムポムプリンのペレー帽参考画像。彼はポムポムプリンが大好きなのだ。
Rは願い事はささやかだが、他の短冊にいろんな絵を描いていてなんだかとてもカワイイ。
「ねえパパも短冊に願い事書いて?」
Rは僕にも短冊をぺしぺしと叩いて渡す。君達の健康と幸せが一番さ…と思ったら
「家族全員の健康と幸せを」
的なことは既に嫁が書いてしまっていた。
「うーん、他に思い浮かばないからいいや」
と逃げようとしたのだけれども
「書いてよ!」
なかなか離してくれない。本当は思い浮かばないどころか、とてもじゃないけど短冊に書けないようなドエロな願い事しか浮かんでこないのだ…なんてことは言えない。
「あとで書いておくから…」
ということでその場は逃げた。
夜になると、タクは「おまじないの本」という、Rが持っていた本を読んでいた。女の子が喜びそうなウソ臭くてテキトーなおまじないがたくさん書いてある本だ。そしてとあるページを確認した後、本をそっと閉じ、
「ベガ、アルタイル、願いをかなえてください」
そう叫びながら夜空に向かって手を合わせていた。頭大丈夫か。
「タク、ベガとアルタイルってなんだか知ってるか」
「知ってるよー。こないだプラネタリウムで見たよね」
一応頭は大丈夫らしい。タクの説明によると、
「このおまじないは、好きな人と両思いになれるんだよ!」
ということらしい。
「ふーん、タクの好きな人って誰よ」
「おしえない!」
「○○ちゃんだろ」
以前タクに熱烈なラブレターを寄越し、タクもまんざらではなく仲良しになったという○○ちゃんの名を挙げてみたら
「ちがうよ」
「えー!仲良しなんでしょ?」
「○○ちゃんとは、ふつうの仲良しのお友達」
「お前、サラッとすごいこと言うね」
親と違ってモテる男は言うことが違うなあ…。後で嫁に探りを入れてみようかしら。
「タクに好きな女の子がいるらしいぞ。○○ちゃんじゃないらしいぞ」
「ええっ。誰かしら?」
みたいな。七夕に井戸端(会議)。なんちて。
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07月09日(火)
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