ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■オヤジ元気で留守がいい。
仕事から帰るのが早い日が何日か続いた。
「ただいまー」
玄関で靴を脱いでいると
「待て!まだ入るな!」
娘・R(9才)がすっ飛んできて、僕の体に鼻を押し付けてフンフンとニオイを嗅ぐ。
「よし、パパのニオイだから本物のパパだ。入っていいよ」
警察犬かお前は。息子・タク(7才)は僕を見て
「なんで帰りが早いの?ヒマなの?」
と露骨にマユをひそめる。なんて失礼なヤツだ(その通りだけど)。親の顔が見たいわ。
寝る時間になるとRが
「ねえパパ、明日も帰り早いの?」
と聞いてきたので
「うん。多分早いよ」
そう答えると
「やったー。じゃ明日も一緒に寝よう?」
すんごい嬉しそうなので僕も思わずニヤけて顔が緩んでしまう。
「そんなに一緒に寝るのがいいのか?」
「うん。だって安心するんだもん」
「そうかそうか」
僕、顔が土石流。ニヤけっぱなし。
「じゃあ今日も一緒に寝ようか!」
と、みんなで寝っ転がると、Rは僕の腕にくるくると巻き付いて寝るんである。まるでダッコちゃんのように。これが「安心する」という体勢なのだろう。面白いことに、既にRが寝静まった後に僕が隣に寝る時でも、Rは寝ながら巻き付いてくるのだ。形状記憶合金か。
僕がそばにいて安心、というよりも、単に抱き枕的な扱いなのかも知れないが、それでも嬉しい花いちもんめ。こうやってベタベタとまとわりついてくるのも、もうあと何年もないだろう。やがて思春期を迎えて
「一緒に寝るとか、まじキモイんですけど?」
などと言われる日は確実に近付いている。そうなったら僕は泣き崩れてひとりで寝るしかない。せめてそれまでは思う存分娘との惰眠を貪ろう。正直ちょっと暑苦しいんだけれども。
抱き枕が濡れ枕になる日まで。
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07月04日(木)
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