ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■奇商店街。
日曜日。

嫁と子供達は小学校の図書室に行っていた。

僕は家でひとりボーっとしていたのだが、商店街でイースターのイベントがあることを思い出して出掛けてみた。僕が好きな地元練馬区のゆるキャラ、

ねり丸
「ねり丸」が来ることになっているのだ!

商店街に行ってみると、ほんのさっきまで雨が降っていたせいか、イベントも露店もジャグラーなどのパフォーマンスもこれから始める、といった感じでまだ閑散としていた。

江古田銀座
子供達に風船を配っている人達。

江古田銀座
これは陸前高田のゆるキャラ「ゆめちゃん」。ねり丸とコラボ企画だとかで。でも「ねり丸」がいないなあ…などとキョロキョロしていたら、嫁から電話がかかってきた。

「図書室終わって帰って来たんだけど、どこにいるのよ」

「今駅前の商店街にいるんだよね。イベントやってるから」

「ゴハンどうする?」

「もう少ししたら帰るから、先食べてていいよ。お腹減ったろ」

そんな話をして電話を切った…と思ったらすぐまたかかってきた。

「パパ?Rもイベント行きたい!」

今度は娘・R(9才)からであった。どうやら「イベント」という言葉を聞いてときめいたらしい。

「あー、でも、イベントって言っても地味だよ。風船配ってるくらいかな…」

子供達にはつまらないだろうから、と説明したら

「風船ほしい!」

「ボクにもくれ!」

息子・タク(7才)も電話口に割り込んできたので、しょーがねーなーと一旦ウチに戻り、子供達を引き連れてまた商店街に戻ってきた。

「ふうせん、ふうせん!」

タクが叫びながら先程の風船を配っているところに行ったら、係のおじさんが

「ごめんねえ、もうないんだよ」

「ええー!」

あっという間に配布終了のお知らせ。しかしあまりにRとタクがガッカリしていたせいか、

「おーい、それ、持ってるのこの子達にあげてやって」

たまたま通りかかった別の係のおじさんが持っていた風船をわざわざRとタクにくれたのであった。ありがとう、風船おじさん(こう呼ぶとどっかに飛んで行きそうだ)。もらえてヨカッタね、とはしゃいでいると

「しまったっ」

とあるお父さんの悲痛な叫び声と共に、赤い風船がひとつ空に旅立って行った。それを見て慌てて子供達の手首に風船のヒモをぐるぐる巻く僕。そんなこんなしているウチに商店街を白い大きな何かがモサモサと歩いて来る。

江古田銀座
「ねり丸だー!」

ようやく僕のお目当て、ねり丸がやって来たのである。今日のねり丸は中の人が不慣れなのか、以前何度か見かけた時よりヨタヨタして危なっかしい。

「ねり丸ー!カワイイー!ねり丸ー!」

僕以上に興奮したタクが抱き付いてすりすりしていたので、

「おいおい、ちょっと中の人が倒れちゃうよ」

「中の人ってなに!」

「えー、いや、ねり丸が…」

しまった。口が滑ってしまった。

江古田銀座
空き地ではライブも。しばらく見ていたら

「はいはい、お茶とパンもらってってねー」

と商店街のおばさんがペットボトルのお茶と、すぐそばのパン屋さんの手作りパンを配り始めた。パン好きの嫁はすごい喜びそうだが、僕はゴハン党だし何よりがさばるので、子供達のぶんだけいただいていたら

「パンもらった?」

とおばさんに聞かれてしまった。


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04月24日(水)
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