ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■花を見ない花見。
土曜日、嫁は仕事だったが、日曜日は天気が悪そうだし花見をしたくなった。
娘・R(9才)と息子・タク(7才)を呼んで
「新井薬師の公園行くぞー」
近場の桜の名所に行こうとしたら
「ヤダ」
と言うので
「えー、じゃあ光が丘公園は?」
別の桜の名所にしてみたら
「行く!」
目の色を輝かせ始めた。何が違うんだ、と聞いてみたらRは
「光が丘はお買い物出来るから!Rね、お買い物したいの…」
花見とは全然関係ないことを言う。光が丘はショッピングセンターがあって、その中にキディランドが入っており、Rはそこでカワイイ文房具とかを買いたいのだという。それ花見じゃないし。タクはタクで
「ポケモントレッタやりたい!」
やはりキディランドにポケモントレッタというタクがはまっているゲームがあるので、それをやりたいのだという。それも花見じゃないし!
「まあいいや。行こうぜ」
買い物を済ませた後に花見すればいいか、ということでレッツラゴー。しかしRとタクのお目当ての店に着いてからは1時間ぐらい待たされた。Rはじっくり
「どれがいいかナー」
とゆっくりゆっくりお店の中を物色しているし、タクは自分がゲームを終えた後も、ずっと他の子がやってるのを見てるし。ようやくショッピングセンターの外に出て、桜がたくさんある公園まで歩いているウチに
「パパ、花より団子!」
と、あらかじめ買っておいた花見団子をほとんど食べられてしまった。

公園に着くと思った通り桜は満開で、たくさんの花見客で賑わっていた。
「すごいだろう。キレイだね」
と、敷物を敷いてみんなで座ろうと思ったら
「Rね、ここ知ってるよ。遠足で来たことがあるんだよ!なつかしい!」
Rが得意気に言う。
「へー。よかったねえ」
「こっちに面白いところがあるんだよ!たっくん行こう!」
Rとタクはシートに座ることなく爆竹のように飛び跳ねていってしまった…。仕方がなくひとりで桜を見て、もそもそとツマミを食べていると、
「パパこっち来て!」
またRが戻って来て、遊んでいるところまで連れて行かされた。この公園はとにかく広い。5分ほど歩かされてようやく着いた。そこは人工の渓谷のようになっていて、川が流れていてその周りをゴツゴツした岩が取り囲んでいた。子供達はそこをピョンピョン跳びはねて遊んでいたのだ。
ここまで来ると桜の木は全然ないのだが、子供達はこっちの方が断然楽しいらしい。タクも人工の渓谷の周りで遊んでおり、川の周りの石を飛び跳ねていた。
「おい、危ないから気をつけろよ。川に落ちても着替えないぞ」
タクはお調子者なので釘を刺しておいた。案の定、タクは
「へいへい、わかったよー」
というナメた返事をしただけで勢いは止まらず、更に渓谷の岩をよじ登ろうとしていたが、端から見るとめちゃくちゃ危なくて、絶対川の中に落ちる体勢だったので
「降りなさい!そこあぶない!」
と叫んだものの時既に遅し。バランスを崩して
「じゃぼ」
片足を水に突っ込んでしまった。
「パパー、靴と靴下がびちょびちょだよう」
「だから気をつけろと言ったろ!」
「どうしよう…」
「はだしで遊べ」
「はーい」
タクは再び裸足になって跳んで行った。元気だなあ…。そして僕の手元には濡れまくった靴と靴下が残されたのであった。帰りどうしよう…。
渓谷で警告したのに…。なんつって。
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03月25日(月)
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