ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■転売少年。
また息子・タク(7才)が

「ポケモントレッタ」というゲームをやりたいと騒いでいた。
嫁によると前の日の晩から騒いでいたようで
「あしたポケモントレッタやるんだ!パパお休みだから連れてってもらうんだ!」
となかなか寝なかったらしい。ポケモントレッタについては以前の日記(→こちら)にも書いたけれども、おもちゃ売り場などにある1回100円のゲームである。
自分のポケモンとゲーム中に出てくる敵のポケモンを闘わせ、うまくゲットしたらそのポケモンのデータが入った「トレッタ」と呼ばれるチップがもらえる。手に入れたトレッタは次から自分のポケモンとして使うことが出来る。
タクはコレにはまっていて、自分のお小遣いで1ヶ月500円までならやってよし、というルールを作った。今月は月の初めに200円使ったので、今日はもう200円ぶんやりたいらしい。
一応そういうルールにはしたのだけれども、僕としてはもっと他の有意義なことに使えばいいのに…と思って
「えー行くのー?大事なお金はもっと他のことに使おうよー」
かつてゲーセンに新車を余裕で買えるぐらいぶっ込んだ過去は棚に上げ、うるさい親っぽいことを言っていたら
「やだ!やるの!」
案の定タクは騒ぎ出し、更には
「もう、うるさいから早く連れてってよ!昨日からトレッタトレッタ連れてけ連れてけって…」
根負けした嫁にまで連れてけと言われる始末。
「わかったよ!」
あの嫁を打ち負かしたその執念は評価してやろう…ということで連れて行った。人気のゲームなので経験上午後に行くとやたら混んでいることが多い。なので午前中の空いている時間を狙ってみたら…。それでも何人かの人が既にやっていた。親子連れひと組と、あとは僕らが行くと必ずと言っていいほどいる、小学高学年ぐらいの男の子。
その常連男の子はしょっちゅうやっているらしく、トレッタの数がもの凄い。レアで強いやつもかなり持っている。いつもトレッタを入れたファイルブックをこれ見よがしに開いているからイヤでも目に入ってしまう。
常連男の子は、親子連れのちびっこがやっているのを見ていた。そしてそれに負けないぐらいかぶりつきの至近距離で覗き込むタク。
「ちょ、ちょっと離れなさい」
触れんばかりだったのでちょっと落ち着け、と諭した。ちびっこがゲームを終わると、次は常連男の子の番か…と思ったらさにあらず、ちびっこのお母さんと何やら話しをし始めた。ゲームのルールなどを教えている会話が聞こえてくる。
「なるほどねー」
などとお母さんもちびっこと一緒に感心して相槌を打っているので、
「次ボクやっていいのかな?」
タクがワクワクしてるので、いいよ、と答えると早速100円玉を入れてやりだした。僕はしばらくタクの熱心なゲームプレイを見ていたが、ふと常連男の子と親子連れを見てみると、なんと常連男の子がちびっこのお母さんに何枚かのトレッタを渡し、お母さんはいくらかのお金を渡しているではないか。
「うわー、買っちゃうのか…」
いくら出したのかは知らないけど、それって本来の楽しみ方じゃないんじゃないかなあ…。たかがゲームなのでどう楽しもうとそれぞれの勝手で、見ず知らずの僕が口出すことじゃないのかもしれないけど。タクなどは
「トレッタがもらえるのも楽しいけど、ゲームのバトルも同じぐらい楽しい」
と言っているので、
「このレジェンドレアっての売ってください(お金ドバー)」
って手に入れても子供はそりゃ喜ぶだろうけれども、自分でゲットした時の本物の喜びを失うことになる。金で手に入れてたらゲームをやってる意味ないしな…。
とか考えながら再びタクの様子を見ていると、
「キラキラ(レアなトレッタのこと。レアものは画像がキラキラしているのだ)は使わないんですか?」
うわお。今度は僕が常連男の子に声をかけられた。
「持ってないんだ」
と答えると
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03月19日(火)
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