ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■バン・アレン帯のお誕生日ですか?
「ねえパパー。あのねー。ないしょにしていたことがあるの」

娘・R(9才)がニヤニヤしていた。

「えっなになに?」

と、僕が言おうと思ったセリフを、横から物凄い勢いでがっついてきた息子・タク(7才)に横取りされた。

「なにってアレだよ!」

Rはタクにひそひそと言う。どうやらタクは知っていることのようだ。

「アレってなんだよう…」

タクはまだよく分かってないらしい。

「えっわかんないの?じゃあ耳貸して!コショコショして教えてあげる」

Rはタクの耳に手を当てて内緒話をしようとし、僕を見て

「パパはあっちいって!」

しっしっと隣の部屋に追いやられた。なんでこんな仕打ちを受けなければならんのだ!と、泣きそうになっていたら

「じゃじゃーん。チョコ作ったんだよ!」

Rとタクがそれぞれ銀色のトレイに乗ったチョコを持って来た。カップケーキチョコが10個ぐらいあるだろうか。

「コレ作ったの?すごいなあ」

ていうか今日がバレンタインデーということにようやく気付いた。そもそも2月14日は「ふんどしの日」である。

ふんどしをアッピールする「日本ふんどし協会」のサイト→こちら

このサイトでは今日のこのふんどしの日に、「ナイスふんどし!」と叫ぼう、と呼びかけている。男たる者、本当にふんどしを着用するかはともかく、心にふんどしを締め、キリッと硬派に過ごさなければならない日である。チョコなんざ女子供が食っていればいい。

でも、パパにチョコをくれるというのならやぶさかではない。

「この中にね、カステラが入ってるんだよ」

「ほうほう」

嫁に教わりながら作ったんだろうなあ、などと子供達から説明を聞かされた。なるほどちゃんと美味しそうに出来ている。

「ね、すごいでしょ」

「うん」

ひととおり説明が終わったらしいRとタクはいよいよ僕にくれるかな、と思ったのだけれども、

「じゃ」

ばたん。冷蔵庫に戻してしまったではないか。見せるだけかーい。おあずけを喰らった僕はどうすれば…。

やはりチョコなんざ女子供が喰っていればいいのである。

ナイスふんどし!

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02月15日(金)
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