ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■ブザーブザー。
朝。子供は登校時間。僕は出勤時間。
一緒に家を出て、近所の子達と歩いて行こうとすると、息子・タク(7才)の防犯ブザーがないことに気が付いた。いつもランドセルの肩のベルトにフックで引っ掛けているのだが…。
「防犯ブザーがなくなってるぞ?どうした?」
「えっ?」
タクは気付いていなかった。よく見るとみるとフックの根元だけがベルトに付いていて、その先が折れてなくなっていた。折れたのは今ではないようだ。折れたところに巻き付けられたガムテープが付いていたからである。おそらく一度折れたのを、嫁が応急処置していたものであろう。動きが激しいタクのこと、そんな処置じゃまたすぐに外れるに決まっている。
「これ、折れたのいつ?」
「きのう、がっこういくとき!」
「いったんお家に戻って探してこい」
タクはタカタカと音を鳴らせながら走って家に戻って行った。待っている間、娘・R(9才)は
「もしかしたらおうちじゃなくて、昨日の学校とか帰る途中で落としたかもよ〜」
なんてことを言う。僕も半分ぐらいそうなんじゃないかって思ってるんだけどね…と絶望のズンドコに落ちていく気持ちに。そして果たしてその通りだった。家から出て来たタクは
「なかった!」
半ばヤケクソ気味に叫んだ。
「どこで落としたか分からないのか!」
「わかんない!」
「どーすんだよ!」
「今日はがくどう(学童保育)だから、ママが迎えに来るから、今日はとりあえずいいって、さっきママが言ってた」
「ふーん。じゃあタク、あやしい人が来たら大声出すんだぞ」
「うん」
この辺にも不審者は出没する。区の防犯メールにより情報が入ってくる。主に女の子を狙う怪しい男が主だが、男の子といえども油断はならない。
「じゃあ練習だ」
「ええっ?」
とりあえずシミュレーションしてみることにしたのだ。
「へーい。ボク、おじさんとおもちゃ屋に行かないかい」
「うわー!変なオッサンだ!たすけてー!あっちいけ!」
タクは大爆笑して逃げて行った。対応としては非常に正しいが、なんかムカつく。僕は追い掛けて行って
「おじさん、ポケモンカードのホワイトキュレムEX持ってるんだぜー」
と誘惑してみると
「えっ。ホント?スーパーレアカードじゃん。ほしい。ポケモンゲットだぜ」
タク、あっさりUターンして捕まった。
「だめじゃん!」
お前がゲットされてどうする。
そんなわけで、まずはタクのブザーを探さなければならないと思うのだが、学校や学童保育の場所だけでなく、その間の通学路とかもテッテ的に探しても見つかかどうか…大変だなあ…。
めんどぶざー。
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01月14日(月)
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