ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■おねむで入浴。
年末、故郷の栃木に里帰りする。
嫁は仕事が終わらないので、僕と娘・R(9才)と息子・タク(7才)の3人でまず帰郷した。
実家のお風呂は、普段の貧乏長屋の風呂よりだいぶ広い。3人で伸び伸びと入っていた。
「ねえー、お笑いごっこしようー」
とタクが言ってきた。それぞれが一発ギャグを披露し、他の者を笑わせたら勝ち、というルールなのだという。いきなりそんな無茶ブリされてもなあ、と思ったが、とりあえず子供相手なのでうんこネタとか言ってりゃ笑うだろ、と適当に構えていた。
じゃんけんで順番を決めるとRが最初にネタを披露することになった。しかしRはニヤニヤおどけた仕草を始めるのだけれども、ダラダラしているだけでちっとも面白くなく、本人はネタのつもりなのだろうけれどもまったく要領を得ない。
「まだー?」
タクが早く終わらせろ、とイライラし始めたがRは構うことなく、今度は何か漫談らしきしゃべくりをし始めたのだが、これまた全く意味不明で…。
「もうやめてよ!」
タクがついにぶち切れた。
「早くボクの番にしたいのに!ボクはもう眠いんだよ!眠いとボクはイライラしやすいんだよ!」
うわー、なんという自己中な奴…。
「そこまで怒ることはないだろ。だいたいやろうって言い始めたのはタクだし、そういうルールなんだからさあ…」
そう注意はしたものの、タクはいじけ、僕とRは白け、みんな黙ってしまった。手持ち無沙汰になったRは何故かお風呂場に転がっていた競泳用の水中メガネを見つけ、ぎゅっと装着した。
「もぐってお風呂のお湯の中を見るの」
とRが顔を湯面に付けた途端、Rがお湯の中で大爆笑したため、ものすごい勢いで気泡がゴバアと爆裂した。Rはゲホゲホしながら顔をあげ、
「ち、ちんこがー!パパのちんこがよく見えるー!ぎゃははははは!」
しまった。Rが潜ったド正面にちょうど僕のソレがあったのだ。
「もっかい見る!」
「ちょと待て!ちんこは見るな」
慌てて隠す僕。しかしRは
「隠しちゃダメ!ちんこを観察するの!R、ちんこ研究家になる!」
「そんな研究家ダメええええ!」
父としてそんなジャンル認めん。ちんこ研究家がオッケーなら、おっぱい研究家に、俺は、なる!(ワンピース調)
ああ、そうだった。タクは自分で言うとおり眠くなると短気になるが、Rは普段おとなしいくせに眠くなるとかなり不思議ちゃんになるのだ。さっきからの変なネタもちんこ研究も眠いからに違いない。こうなるとRはタク以上に予想つかない行動を取る。
「はいはい、とっとと出ましょうねえ」
やっぱ今日はお風呂の時間が遅くなっちゃったからなあ…と反省しつつ、早く寝かさないとエライ目にあう、と、執拗に狙うRをかわしながら速やかにお風呂から上がったのであった。
寝る子は育つが、寝ぬ子はイラだつ。
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01月01日(火)
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