ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■我が辞書にうんこという文字はない。
子供達の登校時間。

僕の通勤時間と同じなので駅までの道を途中まで一緒に歩く。今朝も子供達が集まってきて、そのうちのふたりが辞書を手に持っていた。同じクラスの子達なので、授業で使うのだろう。

「あっ!」

と叫んだ別の子がすっ飛んで家に戻って行き、程なく辞書を抱えて走って来た。危うく忘れ物をするとこだったようである。しかしなんで3人ともランドセルやバッグに入れず、手で直に持ってるんだろ…。

それはどうでいいので別にツッコミは入れなかったが、他の子を待っている時間に

「子供の頃、よく辞書で『うんこ』とか探して遊んでたなあ…」

つい懐かしさに任せてそんなことを言ってしまったからさあ大変。3人全員が大爆笑して「うんこ」を調べ始めてしまったではないか。失言であった。しかし「うんこ」だけに留めておいてよかった。本当は「うんこ」なんてジャブ程度であり、「性交」とか「陰茎」とか思い付く限りのエロ単語を片っ端から調べまくったものである。そして

「まんこが載ってないとか、つまんね」

などと悪態付いたりして。とにかく辞書はそういう風に遊ぶことが多かった。話はずれるが、僕の友達で

「我が辞書に不可能という文字はない」

とナポレオンのマネをしつつ、「不可能」の項目を黒ボールペンで塗り潰す、という遊び方をしている奴もいた。話を戻す。

「パパー!『うんこ』はないけど『うんこう』ならあるよ!」

いつの間にか娘・R(9才)と息子・タク(7才)もうんこ検索に加わっていた。

「もういいよ…そんなデカイ声で話すなよ…ご近所に変態ウンコ好きオヤジとして警戒されるではないか…」

小学生程度が使う辞書になんて「うんこ」などと載ってるはずがないのだ。そんなことをしているうちに、ようやく子供達全員が揃ったので

「ほれ、行くぞー」

出発するよう音頭を取ると、タクがささささーっと走って先行していった。…と思ったらものすごい勢いで戻って来た。

「パパが探してた、うんこあったよ!」

タクは道端の電柱の脇にある見事な作品を発見したのであった。

「別に本物は探してないし!」

うんこを探す親ってのは子供としてどうなのよ…とタクに直に聞いてみたい気もするが、とっとと行かないと遅刻する時間となってしまったので

「ほらほら早く行け!」

慌てて子供達のケツを引っぱたく僕なのであった。

出発ウンコー!

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12月20日(木)
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