ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■○△資格。
とある資格試験に受かった。
自分から取得したい、と思ってたわけではなく、会社から取れ、と言われているものだったのでイマイチやる気がおきず、何年も前から大して勉強しないまま毎年受けては落ちまくり、ここ数年でようやく若干勉強する時間が増えてやっと合格した、というていたらくな有様だったので、
「お祝いしなきゃね」
と嫁は言ってくれるのだが、とてもそんな気にはなれなかった。受かる人は一発で受かる試験である。それに、オッサンになってくると、いくら勉強しても全然記憶に残らないのである。大学受験の頃と比べると脳の吸収力が思いっきり劣っていることがハッキリと分かる。
「船幽霊」という、船を沈没させてしまう水死者の霊の話がある。船に近寄って
「ヒシャクを貸せぇ」
とヒシャクを欲しがるが、その通りに与えるとそのヒシャクでガンガン海の水を船に汲んで沈めてしまう。そのため漁師達は底の抜けたヒシャクを用意しているのだ、という話。
僕はまさに底の抜けたヒシャクで頭の中に知識を汲んでいるような虚しさを覚えたモノである。いくら汲んでも知識が貯まらぬ。もっと若いうちに真面目にやっとけばよかった、という反省点もあり、お祝いなどされても居心地が悪いだけだ。
だがそんな親の心子知らずで、
「え、お祝いするの?お祝いしよう!」
満面の笑みで息子・タク(7才)がしがみついてきた。彼の笑顔には
「お祝いでおいしいものが食べられる!」
と書いてある。我が家ではだいたい、誕生日などのお祝い→お寿司とケーキ、というパターンが続いている。別に何のお祝いかはどうでもよく、とにかくウマイものが食べたいのだ。
「お前はこないだ栃木のおばあちゃんちでいい思いしたろう」
先日、栃木の実家に帰省した時、ケーキやら寿司を食べたのだ。もっとも寿司は、寿司屋に着くまでの車の中でタクは爆睡し、寿司屋に着いてもまるで起きず、ほんの数分だけ起きた時に食べたマグロ2カンのみであるが。
タクは「チェー」みたいな磯野カツオ的なリアクションをした。しかし娘・R(9才)は黙っていなかった。
「Rはお寿司とケーキ食べたいよ!だってRは食べてないもん!」
そうなのだ。娘・R(9才)はカゼで栃木に連れて行けなかったのである。いつかRにも食べさせてあげるね、とは言っておいたのだがまだその約束は果たせておらず。
「うーん。でもなあ…」
あまり祝って貰いたい気持ちじゃないし…と躊躇していると
「たべたいー!」
Rは口をとんがらせて抗議する。普段あまりおねだりしないRなだけに、そのとんがり口のカワイさもあって断りにくい。
ていうか、なんでお祝いされる側なのに、お寿司とケーキ代を負担させられる一歩手前まで追い詰められてるんだ僕は!おそろしい子!
会社からもらえるご褒美のお金は、お寿司とケーキ代でそれで消えそうだな…。
調子に乗って、ご褒美目当てにもう一個ぐらい会社が勧める資格を取ってみようかな、なんてことも考えてみたり。そうすると今住んでいる練馬区からは引っ越さなければならない。一番縁起がいい場所は、公園前派出所でお馴染みの両さんのあたりだ。
すなわち勝つ資格(葛飾区)。なんちて。
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12月08日(土)
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