ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
[5183141hit]

■よく遊び、サッパリ学ばない。
あれは、「開放図書」という、学校の図書室で自由に本を借りられる時、無意味に一家総出で学校に出かけた帰り道のことじゃった。

途中で公園があり、そこで娘・R(9才)の同級生の女の子ふたりが滑り台で遊んでいた。

「あ、○○ちゃーん。▲▲ちゃーん」

「Rちゃーん、たっくーん」

お互い手を振り合って、僕達は通り過ぎる…かと思ったら

「ボクも遊びたい」

息子・タク(7才)が足を止めた。

「えー。Rはどうする?」

「Rはママとお買い物に行きたい」

嫁は家に着いたらすぐ買い物に出かけるのだという。Rはそれに付いて行きたいのだった。

「じゃあ僕が付いててやるよ」

そんなわけで嫁とRと別れ、僕は公園に残り、タクが遊ぶのを見ていた。Rのお友達と一緒になって遊んでいて、

「キャーカワイイ」

「Rちゃんと性格違うw」

などと可愛がられていた。チッ。ここでもモテキャラかよタクは…。30分ぐらいで女の子達はお昼ご飯だからと言って帰り、偶然入れ替わりのタイミングでタクと同じクラスの男の子が遊びに来た。その子はポケモンカードを持っていて、それを見たタクが興奮し、

「ボクもおうちから持ってくるからカード交換しよう!パパー!1回おうちに帰ろ!そんでカギ開けて」

「えー。めんどい」

「ダメ!」

というわけでわざわざタクのポケモンカードを取りに家に戻り、再び公園に。タクと男の子はキャイキャイとカードの見せっこをして盛り上がり始めた。そこにたまたま通りかかった自転車に乗った男の子がふたりを見つけてピタッと止まった。この子も同じクラスの男の子だったのだ。

「一緒に遊ぼうぜ!」

仲間は3人になり、ものすごい勢いで遊び始めた。女が3人寄ると姦しいと言うが、男の子が集まるとしっちゃかめっちゃかに走り回り暴れ回り、回り過ぎて溶けてバターになってしまいそうである。

動いていない僕は寒くなり、近くの自販機で缶コーヒーを買って啜りつつ子供達を眺めた。家に帰る予定が公園に立ち寄り、女の子達と遊び、次はたまたま来た同級生と遊び、家にポケモンカードを取りに行って交換し、これまた偶然通りかかった同級生と遊び始め…、なんだか子供って行き当たりばったりでいいなあ…と思ったのであった。

「そういえば□□君(自転車の子)は自転車でどこかに行く途中だったんじゃないの?」

と聞いてみると

「そうだよ!」

「行かなくていいの?」

「えーと…どこに行くか忘れた!だから大丈夫!」

おお、これぞまさに行き当たりばったり。君を行き当たりばったり王と名付けよう。

「はーい、終わったよー」

しばらくして買い物を終えた嫁とRが公園に戻って来た。

「じゃ、帰ろうか」

タクはまだ遊び足りなそうであったが空腹には勝てず、じゃあまた学校でね、ということでサヨナラして家に帰ったのであった。

ゴハンを食べ終わってからはひたすらダラダラと過ごすRとタク。このままではひとつも宿題をしないうちに夕方になってしまう…。

「とっととやることやれ!」

行き当たりばったりだけに、宿題はサッパリなのであった。

応援クリックよろしくです。

クリックしてね!←これだけでもいいので押してね。
ブログランキング・にほんブログ村へ←こちらもできれば。
はてなアンテナに追加
12月06日(木)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る