ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■ひとーつ、人の世の生き血をすすり、ふたつ、不思議とハゲがある。
息子・タク(7才)の学芸会での劇。
劇の衣装は親が作らなければならないので大変らしい。「らしい」と超他人事に書いているのは、僕ではなく嫁が一生懸命作っていたからである。
嫁は学校から渡された、衣装を指定した注意書きを読んでいた。僕も覗いてみる。タクは桃太郎役なので、桃の絵がワンポントになっているハチマキ、「日本一」と書かれたハッピ、あと扇子などを作るよう説明が書かれていた。妙に思ったのはハッピの色が「黄色」と指定されており、
「なんで黄色なんだろうね。桃太郎だからピンクじゃない?」
「さあ?ピンクだとアイドルの親衛隊みたいだからか?」
と疑問を感じつつも学校の指定なので逆らうわけにもいかず、嫁は作り続けた。そして嫁の努力の結果遂に完成し、
「さあタク、着てみて!」
サイズが合ってるかどうか、早速試着をさせてみた。さあ、どんなにかっちょええ桃太郎になるだろう、と思ったら…

どーん。こ、これは…桃太郎というよりも
「阪神ファンだ!」
「いや、ヤマダデンキの店員だ!」
ノリノリのタクには悪いが嫁とふたりして叫んでしまった。
「ま、まあ良く出来てるね…エライよ…サイズもピッタリみたいだし」
日本一、の字はパソコンでプリントアウトして型紙を作った、という嫁の夜鍋仕事をねぎらい、タクには
「うん。カッコイイよ。本番ガンバレ」
と励ましてタクのモチベーションを損なわないよう気を遣ってしまったのであった。あまり変なことを言ってヘソ曲げられて、本番の演技に差し障りがあってはならない。
でもやっぱり日本一は日本一でも、「日本一の桃太郎」というよりは
「安さ日本一への挑戦」である。
あ、これ、ヤマダじゃなくてコジマのフレーズだった。
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11月30日(金)
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