ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■でれすけ親子故郷に帰る。
土曜日、体調が微妙な娘・R(9才)と嫁を残し、息子・タク(7才)と栃木の実家に帰った。
乗換駅の池袋で、そういえばトイレに連れて行くのを忘れていた、と思い出し、一緒にトイレに行ったところ、僕の社会の窓的なファスナーが全開であった。家からこの状態だったのか…。捕まらなくて良かった…。
気を取り直し、人がごった返す池袋駅構内をタクがはぐれないようしっかり手を握り、ホームで電車がくるのを待つ。
「パパー、リュック置いておいていい?」
「いいよ」
タクが背負っていたリュックを地べたに降ろしておいた。数分後、電車が来たので
「乗るぞー。リュック持てー」
とタクに声をかけてリュックを背負わせた瞬間、着替えやらオヤツやら中身がどざーと落ちた。
「ファスナー閉めとけー!」
これも血か…。湘南新宿ラインの発車を5秒ぐらい遅らせたマヌケ親子は僕らです。どうもすいません。
無事(?)栃木の駅に到着すると、母が車で迎えに来てくれていた。
「おばあちゃーん!」
「タクー!あと息子ー!」
感動の再会を果たした後、佐野ラーメンで昼飯。その後は佐野こどもの国という、いろんな遊びが出来る児童館の発展系みたいな施設にタクを連れて行き暴れさせた。
タクは自分でココに連れて行け、と言っていただけあって楽しそうに遊んでいたが、いつもはRと遊んでいるだけあって、
「やっぱりひとりだと寂しいなあ〜」
などとちょっと満足できないようであった。そこに
「おーい、誰か助けてくれー」
ブロック遊びのコーナーで、とても大きくて重そうなブロックを抱えてフラフラしている男の子がいた。背はタクと同じぐらいの子。
「よし行くぞ」
とタクが助けてやると、すぐさま打ち解けて一緒に遊び始めた。その子もひとりで来ていたようで、仲間が出来てお互いすごい嬉しそうに遊ぶ遊ぶ。周りを見渡すと、その子を見守るようなお母さんらしき人がいたので、
「ウチの子がすみません」
「いーえひとりで寂しかったようですからありがたいです」
などと挨拶し合う。社会の窓をさり気なく見たらちゃんと閉まってたので大丈夫だった。
「外行こうぜ!」
屋内でしばらく遊んだ後、ふたりは外の公園に飛び出して行った!屋内だけでなく、公園にもいろいろ遊べるところがあって、宇宙船っぽい遊具や本物のロケット、船などが展示されていて、
「恐竜に行こう!」

実物大のティラノサウルスのオブジェもある。口から中に入れて、お尻から出ることが出来る。このことをタクは
「恐竜のウンコみたいでしょ!」
そう表現して、お友達に聞かせていた。もっと他に言い方はないのか。ふたりはティラノサウルスの中に入ったり出たり、もの凄い勢いで遊んでいた。しかしここらへんでもう夕方。帰らなければならない時間となった。お友達のお母さんもそう考えていたようで、
「じゃ、もう帰りましょう」
「遊んでくれてありがとねー」
とサヨナラした。

「また会えるかな…」
わりとおセンチなところがあるタクは、見送りながらしょんぼりと呟く。
「またココに来れば会えるかもよ…」
僕はありきたりの言葉しか出て来なかった。家に帰る車の中で、タクが思い出したように言った。
「あの子の名字はねー、テラノ君って言うんだって」
「え、テラノ?」
ティラノサウルスのテラノ君か…。なんかこの日記のオチのためだけにあるネタのような、出来すぎた話であることよ。
あだ名はテラノサウルスになるんだろうなあ…。
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11月25日(日)
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