ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■腹ダービートップ。
朝、目が覚めた僕は、同じように起きたばかりの子供達とボーッと見つめ合う。

「おあよー」

と言って手を広げると、娘・R(9才)も手を広げて近寄ってきてぎゅっと抱き合う。ああ、朝の心が暖まる抱擁…。と、思いきや急にRがテキパキと動きが良くなって、抱き合っていた腕を放すとばばっと僕のTシャツをめくり上げた。

「いやーん、なにすんのー」

Tシャツの内側には当然僕の腹がある。ここ数年で見事に出っぱらった中年オヤジの腹が…。Rは迷うことなくその腹の肉に顔を突っ込んだ。そして

「ぶぶぶぶぶー」

吐く息を当ててオナラのような音を出して遊んでいる。

「なにがしたいんだよ!楽しいのかそれ!」

なんとなく陵辱されているような気がしないでもないのでちょっと戸惑いながら引き離すと

「おなかがモニモニしているところが気持ちいい」

とのこと。あーどうせデブ腹ですよ。仲良し親子がぎゅっと抱き合ってる姿は微笑ましいと思うが、僕の醜い腹の肉に埋もれている娘というのは…腹も娘もよそさまには見せられない光景である。

変な形ではあるが、これも親子のスキンシップの一種なのだろうか…。しかしRが僕の腹肉をボヨボヨ弄ぶさまがどうしても好きになれないのは何故だろう。そうしばらく考えていたが、やっと納得がいく答えが見付かった。おっパブで巨乳にむしゃぶりつく僕自身の姿が重なるからなのだ。

あ、僕の名誉のためにこれだけは書いておくが、おっパブは1回しか行ったことがない。それも札幌に出張した時、ススキノにて会社の人に

「キャバクラに行きましょう!」

と誘われたためである。ススキノでのキャバクラは東京で言うところのキャバクラではなく、おっパブなのだ。僕はそれを知らなかった。

弁明が長くなった。話を戻す。Rは何故僕の腹なんぞがツボなのか分からないが、将来思春期になれば

「オヤジ、クサいし、寄るなし、死ねし」

ガラッと態度が変わり、汚物扱いされる運命が待っているのだろうから、それまではこんな形にせよ娘の方からベタベタ寄ってくる幸せを味わっとけ、ということなのかもしれない。

ただ三つ子の魂百までとも言うし、もしそのままオヤジの中年出っ腹フェチのまま大人になってしまったらどうしよう、と心配しないこともない。

「もしどっか他のお腹がでかいおじさんが、モニモニしていいよって言ったらやっぱり顔突っ込むのか?」

と率直に聞いてみたら

「いやああだ、パパのが好き」

ああ良かった…。お腹だけに、僕の腹だけが別腹のようである。

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09月06日(木)
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