ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■3 A.M. Eternal
真夜中。
翌朝、早く起きなければならないのに、ダラダラとパソコンのモニタの前に座り、やはりまだダラダラと起きているであろう人達のつぶやきが生まれては流れていくさまを眺めていた。
とあるアイドルのツイートにコメントしてみる。もちろん返事が来るわけもなく。僕以外のアイドルを取り巻くおっさんツイートもわらわらと生まれ、それらと一緒に僕の放った言葉は触れられることもなくまとめて沈んで行った。
いい加減寝よう。ようやく横になった。隣に娘・R(8才)が眠っている。この子は生まれてからずっと僕の隣で寝ているけど、そろそろ終わりが近づいてくるんだろうなあ…と寝顔を眺めながら切ない気持ちになっていると、やがて睡魔が襲ってきた。
ばばばばばばばっ。
眠りの世界に落ちたはずだったが、ものすごい物音によってすぐさま戻てきてしまった。雨だった。どんどん音が激しくなる。ふと横を見るとRの目も開いていた。
「パパも目が覚めちゃったよ。すごい雨だね」
もしかして怖いのかなーと思ったが
「みてみる!」
逆に興味深かったようでがばっと起きて窓から外の様子をじーっと眺め始めた。どざざざざざ、と本来静寂な夜の空間に響き渡る雨音は何やらチルアウト・ミュージックのように幻想的である。
僕もRの後ろで寝ながら見ていたが、同じ光景を見ていてもきっと受け止め方は全然違うのだろうな、と思った。僕も小さな頃は深夜自体が異世界であった。滅多に起きているはずもない時間帯に、たまに大晦日の夜に夜更かしして神社に行く時など、すべての店という店が閉まっているのを見て
「深夜すげー!コンビニさえ閉まってる!」
と感激したものである。(当時のセブンイレブンはその名通り11時で閉まっていた)
Rもそんなことを感じているのだろうか。いつもと全く違う光景。異世界への入口があるような深夜。
5分ぐらい見ていただろうか、ようやくRは寝床に戻って来て僕の腕にくるまって再び寝息を立て始めた。僕もあっという間に眠ってしまっていたようで、気付いたら朝。雨はいつの間にか止んでいた。
Rもこの雨のように、いつの間にか僕の隣からいなくなっているのかなー…。
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07月07日(土)
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