ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■元気ハツネツ!
真夜中、ふと目が覚めた。

左側に寝ている息子・タク(6才)がむっくり起き上がってゴソゴソゴソゴソ布団の周りを探っていたのだ。この物音で僕は目覚めたらしい。

タオルを口元でふんふんするのが大好きなタクは寝る時もタオルを離せない。寝相が悪いため、寝ている間にタオルが離れてしまうとこのように探しているのだ。よくあることである。ほぼ頭の中は寝たままで、ただタオルが恋しい本能だけで動いているので、声を掛けても返事はない。

首尾よくタオルを見付けたタクは、何事もなかったかのようにコロンと寝転がって再び眠りについた。僕も再び寝ることにしよう…としたところ、こんどは右側で寝ている娘・R(8才)が動いた。

「あつい!」

掛け布団を蹴っ飛ばしたのである。

「暑いかもしんないけど、おなかぐらいまでは掛けておこうね」

と布団を掛け直して、汗を拭いてやろうとしたところ、なんか妙にRの体が熱い。おでこと耳たぶを触ってみたらやばげな感じ。

「げほげほ」

嫌な感じの咳も追加だ。この咳、そういえばここ数日していたよなあ…ということで

「ちょっと熱測ってみな」

体温計を渡してみた。結果、

「ひえええ!38度4ぶうううう!」

そりゃ暑いはずだよなあ…。僕らの物音で嫁も「まじで?」と目を覚ました。

「今何時?」

「3時40分」

「うあー。Rに来たかー」

あちゃー、みたいな悔しさを見せる嫁。Rには具合を聞いてみたところ、特に頭が痛いとかだるいとか気持ち悪いといった症状はないらしい。とりあえず今出来ることは寝るしかないので

「お茶飲んで寝な」

麦茶を一杯飲んで、Rはすぐに眠ったので僕も眠りに落ちたが、何度かRの咳で目が覚めたりしていた。

翌朝、意外にもRは

「でへへへへー」

スッキリした顔で起きて平熱に戻っていたが

「学校はお休みのほうがいいなあ」

咳は相変わらずだしな、と僕は判断した。しかし僕は仕事だし、嫁もパートでどうすんべ…とりあえず嫁が勤務先に連絡を取っていたところ

「あ、休んでいいですって言われたよ」

所属長から許可が出たとのこと。そしてその理由が

「私の知人で、病気の子供をひとりで寝させていたら亡くなったという案件があったので…」

なのだそうだ。お、重過ぎる…。嫁職場のありがたいご理解にて医者に連れて行けることになった。ひと息ついたところで

「それにしてもあなた、よく気付いて起きたね。地震でも気付かないくせに」

嫁が意地悪なことを言う。それは娘への愛です…と言いたいところだけれども、単に子供達と一緒の時間に床に就き、たっぷり爆睡ぶっこいていたからに過ぎない。

ちょうど前の晩、キムジョンウンが演説をしただの、パレードにミサイルが登場しただの、北朝鮮のニュースがやっていたんだよなあ…。あれが良くなかったのかも知れぬ。

発熱と朝鮮半島はよく似ているのである。

どちらも38度を越えると危ないでしょう。なんつって。

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04月17日(火)
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