ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
[5183162hit]

■バイシクル・レース
嫁が

「自転車買うから付いてくる?」

娘・R(8才)の自転車を買うと言うので付いて行った。今までウチには2才ぐらいの時に買ったものしかない。そろそろRもひとりで乗り回すお年頃になってきたので買おうという次第である。

1軒目の自転車屋では子供用の自転車は置いてなく、

「お取り寄せになります。その分お安くなってますヨ」

とのことであったが、実際Rの足が届くかどうか試してみたかったので次の店に。

2軒目は自転車でギッチギチのお店で。

「雨なので狭くてすいません…」

雨なので外に出せない自転車が詰まっているのだった。

「22インチのはありますかねえ…」

どうせ買うなら長く乗れるよう、出来るだけ大きな自転車がいい。成長する子供にとって20インチだとすぐ小さくなってしまうだろう。しかしRは学年1のチビッコなので20インチは乗れるかもしれないが22は足が届かないんじゃないかと心配なのであった。

「えと、これが、そうですね」

窮屈に並んだ自転車から1台取り出してもらい乗せてみると、心配するようなことはなく、わりとピタッと足が付いたのであった。

「R、それでいいかい?」

「うん、黄色のがイイ」

Rは黄色がお好みの色の様子。じゃあそれにしますか…と決めようとしたのだが、嫁が首を縦に振らず、

「もう一軒行こう!まだ安いのがあるかもだわ!」

この店の更に先にあるもう1軒の自転車屋を目指した。しっかり者め!そんなわけで3軒目の自転車屋を覗いてみたら

「すいません、狭くて…」

ここも雨で外に出せない自転車がギュウギュウに詰まっていた。雨の日は自転車屋が狭くなる法則を普遍的なんだなあ…。

ここで先程の黄色いのとはタイプは違うが、よさげでしかも2千円ほど安いのが見付かった。

「R、どうよこれは?」

「うん、いいよー」

特にデザインの好みにはうるさくないようで…。但し色は黄色じゃなくて今度はラベンダー色がイイ、と言いだし、在庫がないので取り寄せてもらうことになった。申込用紙に名前を書いて「じゃお願いします」と店を後にした。歩きながら、

「ねえパパ、きいていい?悪いことじゃないのよ?」

Rが思わせぶりな問いかけをしてくるのでニヤケ顔になってしまった。"悪いことじゃないのよ"なんて言い回し、どこで覚えてきたんだろう。

「なんだい?」

と聞いてみると

「さっきRが黄色の自転車でいい、って言ったのになんで別のお店に行ったの?」

「ん?本当は黄色い方がよかった?」

「違うの。ただ知りたいだけ」

別に本当は黄色いのがよかったのをガマンしている、というわけではなく、単に聞いてみたかっただけのようだ。だから"悪いことじゃないのよ"と言ったのであろうか。

「それは、もっといいモノがあるかもしれないし、安いのがあるかもしれないし。色々見て選んだ方がいいだろう?」

そう説明すると

「そっか」

と納得したようであった。すいませんねえ。出来るだけ安い方がいいので…。自転車屋を3軒も回ってしまったが、

こっちの懐も自転車操業なのである。

応援クリックよろしくです。
    
クリックしてね!←これだけでもいいので押してね。
ブログランキング・にほんブログ村へ←こちらもできれば。
はてなアンテナに追加
03月20日(火)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る