ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■なんてったてアイドル。
子供の頃、父が夜店の屋台かどこかで山口百恵のすんごい大きなポスターを買ってきて部屋に貼った。ファンだったらしい。

「やだーお父さんアイドルオタク?キモーい」

当時、「オタク」も「キモい」も存在しない言葉であったが、そんな感じで父をいじる絶好のネタとなっていた。しかしそれもいつの間にか部屋に馴染み、僕が家族にとってもごく普通に違和感のない存在となり、かなり長い間貼られていたと思う。

そんな父のアイドル好きをからかっていた時から幾年月。今僕がいる部屋を見渡すと、

Perfumeのポスター。
新潟のアイドル・Negiccoの卓上カレンダー。
きゃりーぱみゅぱみゅのサイン入り色紙。

が堂々と飾られており、あの頃の父より余裕で年上になっているにもかかわらず、どう考えても僕の方が重症である。しかも子供達を連れてライブにまで行ってるしなあ…。お父さん、あの時馬鹿にしてごめんよ。

ただ、子供の頃の僕は父をからかっていたが、娘・R(8才)と息子・タク(6才)はそうではなかった。ふたりとも

「みしてー」

ポスターを眺めたりNegiccoカレンダーをめくって月ごとの写真を見たりして、わりと好意的である。そしてタクは

「あー、早く4月にならないかな」

とニコニコして言う。

「どうして」

「だって4月10日はNao☆ちゃん(Negiccoのリーダー)の誕生日なんだよ!」

カレンダーには、各メンバーの誕生日がハートマークでマークされており、タクはいつの間にかそれを見て覚えていたようである。

お父さん…アイドル好きの血は確実に受け継がれているよ…。

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03月15日(木)
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