ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■特大の宿題。
土日の娘・R(8才)はわりと忙しいのである。
ピアノの練習と、国語の宿題である教科書音読と日記。そのうちピアノと日記が時間を食う。出来るだけ午前中にやらせるが、日記はだいたい夕方…。日記だけは1日の早いウチにやらせようとしても
「書くことがないもん!」
ネタに詰まったブロガーのようなキレ方をする。
日曜日はただでさえ時間の進みが早く、ついさっきまで仮面ライダーを観ていたと思ったらいつの間にかサザエさんが終わってたりする。そんなわけで急いでやらせているつもりでも、ダラダラ過ぎてようやくピアノの練習が終わった時にはもうお昼近く。
慌ててRとタクに出掛ける準備をさせ、
「ほらっ開放図書行くよっ!」
1時には閉まってしまう学校の開放図書室で本の返却と貸出をさせる。ここでもまた
「次、何かりよっかなー」
とダラダラ優柔な時間を過ごす。
昼飯を食べてから昨日の日記に書いた、練馬駅での大震災1周年にちなんだ被災地への募金及びメッセージバッジ作り、そしてねり丸に会うという出来事があり、それから公園で遊ばせた。だいたい2時間ぐらい遊ばせて
「じゃあ帰るぞー」
「やだー!」
「宿題終わらないぞ!」
Rが日記を書く時間を考えて、夕方の早めに帰宅。宿題に掛かる時間を考えて早めに切上げ。
「今日は日記に書ける出来事がいっぱいあったよねー。募金とねり丸のことを書きなさい」
「いや。開放図書のこと書くの」
「えー!」
募金した、なんて書けば先生が褒めてくれるに違いないから格好の日記ネタだと思うのにぃ…。ていうかパパも募金しましたって書いてくれたら僕も先生に褒められたかもしれないのに。気が利かぬ娘であることよ。
内容はともかく、意外と早く書き終わったので
「よし、早くお風呂に入れるな」
と安心したら
「まだ宿題が残ってるの」
「えー!何よ」
「ピアノの宿題」
「早くやっちゃいなよ」
ピアノの練習は午前中やったはずなのに、それとは別の宿題があるらしい。ちゃちゃっと終わるだろ…と思っていたら五線紙を取り出し、うんうん唸りながらオタマジャクシを書き始めるではないか。
「あのー、Rさん、時間がかかりそうなんでしょうか…」
もしかしたらすっごい大変な作業をしているのでは…と心配になったら遂にこれまで沈黙を守っていた嫁がブチ切れた。
「Rが今やってるのは作曲の宿題よ!時間掛かるに決まってるでしょ!なんでもっと早くやらないの!」
「えー!」
まさかそんな大物の宿題が残ってたなんて…。知っていれば公園で遊ばせなかったよ…。作曲の宿題はとうとうサザエさんタイムになっても終わらず、
「しょうがないから明日やりなさい!」
キレッキレの嫁にタイムオーバーの宣告をされ、とっとと僕が風呂に入れた。切れまくりの嫁に思いっきり煽られたにもかかわらず、Rはのほほんとしたもので、湯船の中でもビバノンノであった。
で、晩ご飯を食べ終わり、歯を磨いてようやく寝ることが出来るようになったのがいつもより1時間遅れ。嫁が風呂に入ったので
「もう遅いから早く寝ようね」
僕がRと息子・タク(6才)と布団に入れようとしたら
「まだ宿題があるからダメ」
「なんだってー!」
Rはランドセルの中から「ひろがれ わたし」という学校で作った自分史のような文集を取り出した。Rが自分のこれまでの人生を振り返って書いた文章がけっこうみっちり詰まっている。僕と嫁が書いた、Rへ向けた激励の文もある。
「これを読むから、おうちの人に聞いてもらわなきゃ行けないの」
「なんで今頃になって言うんだー!」
「パパとたっくん、座って聞いてね。話ししちゃダメよ」
まったく、やりたくないことをギリッギリまで抱えてるなんて、僕そっくりだなあ…。だから叱るにしても叱るセリフが全て自分へのブーメランだから歯切れが悪いわ…。Rは「ひろがれ わたし」にある自伝的な文章を延々と朗読する。
「わたしは、○○病院でうまれました…」
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03月13日(火)
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