ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■アイス・アイス・ベイビー。
「スケートしたーい」

娘・R(8才)と息子・タク(6才)がおねだりする。折りしもセンター試験真っ最中な日に滑りたいとは、この子達、将来多難な受験戦争を迎えそうな予感がしてならない。

そんな子供達の押しの強さに負け、としまえんでこの冬初めてのスケートをしてきた。嫁は

「忙しいのよっ」

ということで家に残ったが…。

この前の冬、最後に来た時はふたりともヨロヨロではあるけれども一応ひとりで滑れていた。そして僕はなんだか疲れていたので滑るのはかったるいなあ…と思っていたので、

「君達だけで滑れるよな?」

僕は脇のベンチで見てるから…と言って見たところ

「うん!滑れる!早く滑りたい!」

もうリンクに向かう気満々でオヤジがいようがいまいがどうでもよさげであった。

「よし、じゃあ行ってこい」

とリンクに送りだそうとしたら、1年ぶりだったのでカンが鈍っていたらしく

「パパー!たすけてー!たてないー!こわいー!やっぱりきてー!」

ということであっさり前言撤回。僕も結局スケート靴を履いてRとタクの手を取ることに。しかしそれも束の間、ものの30分もするとカンを取り戻したようで、水を得た魚ならぬ氷を得たペンギンのようにチマチマと活発に動くようになり、

「パパ、やっぱりいなくていいよー」

おのれ、僕のぶんの入場料と貸し靴代が…。まあ僕も疲れたのでとっとと靴を脱いでふたりの滑りを見てみると、タクは地雷地帯をまっしぐらに突き進んでいくタイプで、何回も転んでは立ち上がりガンガン滑って行く。

一方のRは、石橋を叩いて僕に渡らせるタイプなので、じんわりじんわりと滑って行く。それでも転ぶと僕の方を見てテヘッと照れ笑いするのが可愛い。本当にのんびりとした滑り方で、弟とはいえタクの方が上達が早い…ということはRには言わないでおく。RはRなりに、姉としてのプライドがあるのだ。

「のどかわいた!」

「はいはい」

休憩しに戻って来たふたりに

「どーだい、楽しいかい?」

と聞いてみる。

「たのしい〜」

素直に笑うR。そしてタクは

「ねえねえパパ!さっき、滑りながらオナラしたらスピードが上がったよ!」

「うそつけ!」

スケートだけにギャグも滑りますなあ。

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01月16日(月)
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