ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■おっさんは サッカーボールより ハイボール
小春日和な感じの休日。

嫁は街へ買い物へ、僕は子供達を暴れさせるために公園へ出掛けた。

わりと広い公園で、1周500メートルぐらいのジョギングコースもある。夜はオバケが出るとの噂だが、今のこの時間はポカポカとしていてとても気持ちがいい。娘・R(8才)は縄跳びを家から持って来て、

「パパ、にじゅうとびやるからみててねー」

とか

「あやとび飛んだ回数かぞえてねー」

とか、縄跳びが上手になったのを僕に見せたいようだった。そしてタクは

「パパー!サッカーやろう!」

お気に入りのサッカーボールで蝶々サンバ、ジグザグサンバ、ダッシュダッシュダッシュ、キックエンドダッシュと、激しいボールの蹴り合いをして遊んだ。

オヤジと一通り遊んだ子供達は、そのうち好き勝手にふたりで公園内を遊び始め、爆竹のように飛んだり跳ねたりしているので僕はお役御免。ベンチに腰をかけて「あー」と休んでいるウチに、暖かい日差しに包まれてウトウトと寝てしまった。

「パパ、起きて!起きて!」

Rに起こされて「うおっ」と起きて時計を見ると、20分ほど寝ていたようだ。

「みんなでサッカーやろ?」

再び僕が駆り出される時が来たようだ。

「よし、やろう。じゃあボールはどこ?」

「え?あっ!ない!」

「なんだとー!」

ちょっと前までボールで遊んでいた癖に、どこにもないではないか。みんなで探せ!としたところ、ちょっと離れたところで見た感じ小学校高学年の、美少女と言えなくもない女の子4,5人がキャッキャウフフとタクのボールで遊んでいるのを見つけた。

「あ、あれだ」

僕がふたりに知らせると、いつもはトロいはずのRが

「返してもらってくる!」

すたこらと美少女風少女達に向かって行くではないか。

「ちょ、ちょと待て」

今時の女の子は怖い。見た目は普通でも実は今時ニホンカワウソ並みにレアなスケバンで、Rがボール返してなんて言おうものなら

「顔はやばいよ、ボディやんな、ボディを」

といじめられたらどうしよう(どうでもいいが「スケパンデカ」というAVがある)。僕はすぐさま助けなければならない。畜生、やりやがったな、倍にして返すぜ、フックだボディだ、ボディだチンだ、ボディだチンコだ、チンコだチンコー!

…と中年男が叫びながら女子児童に迫る、という事案が発生しました、と練馬区の防犯メールに掲載されてしまったらどうしよう。慌ててRの後を追いかけていくと、Rはあっさりボールを返して貰っていた。

「学校のお友達なの」

よく知っている上級生だったらしい。イヤに行動が早いと思ったらそういうことだったのか。よかった…。おまけにRはタクに向かって

「お友達だったからいいけど、知らない人だったら返してくれなかったかもよ?だからなくしちゃダメよ」

僕が言おうと思っていたことをとっととタクに言っていた。いつの間にそんなお姉さんキャラになったんだ。

物心付いたときからおっとり者の小心者だとばかり思っていたが、今日のRは肝っ玉が据わった感じで堂々と見えるなあ。

ボールだけに、大したタマである。なんちて。

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12月06日(火)
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