ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■ちびR子ちゃん。
「Rね、すずきさおりちゃん(仮名)のお姉ちゃんのこと、あんまり好きじゃないの」
滅多に人のことを悪く言わない娘・R(8才)が口を尖らせて話す。珍しいことだと思った。すずきさおりちゃんとはRと同じクラスの女の子。授業参観や運動会などで僕のようなヤバげなおっさんにもニコニコと話しかけてくるので覚えている。
さおりちゃんはそんな感じで明るくて良い子だと思うのだが、そのお姉ちゃんはそうでもないのだろうか。
「なんで好きじゃないの?」
と会話に乗っかってみたら
「あのね、Rのことを『おっちょこちょい』って言うのよ!」
「えー。Rがおっちょこちょい…か」
どちらかというとRはおっちょこちょいより「どん臭い」というイメージなのだが…。早い者勝ちのお菓子を素早くダッシュしてゲットしたけど落っことしてしまうおっちょこちょいより、人を押しのけて前に出ることが出来ず貰い損ねるタイプ。
しかし学校では僕の知らないRのおっちょこちょいな面があって、さおりちゃんのお姉ちゃんはそれを見ているのであろうか。
「あとね、Rのことを『チビちゃん』っても言うのよ!」
「あはは」
それは事実だからしょうがあるまい。学年1のチビちゃんだからなあ。しかし「おっちょこちょい」に「チビちゃん」か…。そしてそれを怒るR。なんだかまるで

速水真澄と北島マヤみたいだ(「ガラスの仮面」を知らない人は名作なので今すぐ読もう)。
「ひょっとして、意地悪で言ってるんじゃなくてRのことを可愛がってるのかもよ?」
プリプリしているRをそうなだめてみると
「そうかなあ…」
なかなか納得できないようであったが、そんな様子のRもカワイイ。さおりちゃんのお姉ちゃんがどんだけ年上か知らないが、Rを「チビちゃん」と呼んで可愛がっているのではないだろうか。
僕もチビだったので「チビ」と呼ばれるのが嫌なのはよく分かる。だから僕はRには言わないが…。そんなチビな僕はチビのまま大人になり、エッチになったため、エンピツのような人間になった。
すなわち体の一部の芯が硬いエッチビーである。
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11月02日(水)
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