ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■ボン・イン・ザ・栃木。
土曜日、お盆なので栃木の実家に帰る。

息子・タク(5才)は

「はやくおばあちゃんに会いたい…」

朝から熱烈な帰省アピールをしていた。

「たっくんはおばあちゃんが大好きなんだね」

と頭を撫でてやると

「だっておばあちゃん、おもちゃいっぱい買ってくれるもん…」

おそろしい子!5才にして欲望のカタマリやでえ。そしてその母からは

「孫達に会いたいのはもちろんだけど、あなたに一番会いたいのです。顔見たい」

という熱烈なメールが来て、なんだか頭の中に「かあさんがー夜なべーをしてー」の歌がぐるぐる回ってしまった。そんなに楽しみにしていたなんて。僕、久しぶりに佐野ラーメンを食えるぐらいのことしか考えてなかったんだ…。タクのこと言えなかったよ…。

それはそれとして栃木に着いてからはまず佐野ラーメンを久しぶりに食べる。Rもタクもラーメン大好きなので僕ら以上の勢いで食べるのだが、今日の娘・R(8才)は何故かラーメンより餃子をふたつもみっつもガツガツ食っていた。餃子の女神像が乗り移ったとしか思えない。

「ラーメンじゃなくていいのか?餃子そんなに食べてだいじょうぶか?」

「だっておいしいんだもん!」

栃木県人はやたらと餃子を食うという。東京生まれのRもブラッドキャントバトル。すなわち血は争えぬということなのだろうか。

ラーメン屋から帰るとちょうど高校野球で栃木代表の作新学院の試合があり、観る。

「やったー!勝ったー!」

栃木の高校が勝つのは珍しいので殊の外喜んでしまった。作新学院は同じ栃木といえど僕の実家からはだいぶ遠いのだが、中学生の頃模試会場だったため行ったことがある。ここは幼稚園から大学まで揃っているものすごいマンモス校である。しかも男女別学。

僕が受けた校舎は女子用の校舎だったらしく、トイレに行こうとしたら女子トイレしかなく、しかもそこを使え、とのことだったのですごい興奮しながら用を足した…というどうでもいい思い出がある。今、普通に女子便入ろうとしたら即逮捕だもんなあ。

話を戻す。高校野球を観た後、父の墓に迎えに行く。着いてからはタクが何故か張り切り、手桶のひしゃくを奪い取ってツッタカター、ツッタカターと西川のりおばりに指揮者棒のように扱い

「はーい、梶林家はこっちでーす!」

と大声で先導する。しかもひしゃくの裏に「梶林家」と書いてあるので、それを振り回しながら歩くものだから

「おいこら、名前をでかい声で言うな!」

余計恥ずかしくてしょうがなかった。で、騒がしく父の墓前に到着。線香を…と思ったらRが速攻で逃げ出し

「やだ。煙怖いんだもん」

全然近寄ろうとしない。

「こないだ誕生日ケーキのロウソク消した時の煙は大丈夫だったじゃないか」

「あれは誕生日だからガマンしたの!」

RはRで色々苦労があるらしい。

「はい、では一緒に帰りましょうねぇ…」

僕が提灯を下げ、皆ゾロゾロと戻ろうとすると

「おじいちゃんも一緒に帰ってるの?どこにいるの?」

タクは周りをキョロキョロしてるので

「タクの隣にいるかもよー」

と答えてやると、ふーん、と妙に真面目な顔で頷いていた。もしかしたら見えているのだろうか。家に着くと

「おじいちゃん、よく来たな!まあ上がれ!」

何故かしらんがすごい偉そうに出迎えていたが…。

嫁はそんな息子の姿を

「運動会の鼓笛隊で指揮者やりたいって言ってたからなあ…」

などと呟きながら後を追っていたが、ある家族が連れて来たダックスフンドがやたらと吠えかかってくるので僕はびっくりしたのだけれども、嫁は

「うーん、声もでかくて張りがあるし若い!毛並みもつやつやしててまだ若いね!」

若い若いってロリコンオヤジかお前は、っていう感じで品定めしていた。

お盆とかけまして、無修正のエロ本とときます。

その心はどちらも「うらぼん」(盂蘭盆/裏本)と言うでしょう。

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08月15日(月)
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