ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■A型で新潟。
毎年この時期になると柏崎の伯母が笹だんごとちまきを送ってくれる。
柏崎の名物で「えんま市」というお祭り?に合わせて作るらしい。柏崎は父の故郷だが、「えんま市」も知らないし、柏崎自体も小学生の時に祖母の葬儀で行ったっきりで、記憶もほとんどない。この伯母さんとも、
「毎年すいませんねえ」
という電話の他には年賀状のやり取りしかないのに、何故毎年忘れず送ってくれるのだろうか。伯母さんは
「あなたのお父さんが大好きだったのよ〜」
と言った。ああ、きっと父は伯母さんにとても可愛がられていたんだろうなあ…。新潟からひとり栃木に出て来た弟に、故郷の名物を贈る。何十年も続けていてくれたのだろう。父が死んでからは僕にその想いをかけ続けてくれている。
近くの他人に負けると言われている遠くの親戚であるが、ふとした時に血の暖かい繋がりに気付く。 まさに血は水より濃し。英訳するとブラッド・イズ・シッカー・ザン・ウォーター。
また伯母さんは
「でも若い人の口にはあわんかもしれんねぇ」
とも言うがとんでもない。父に似ていると言われた僕にそっくりな息子・タク(4才)がばくばく食べていて、まさに血は争えぬ。英訳するとブラッド・キャント・バトル。なのでそう伝えるとまた
「あらそうお〜?」
キンキンとしたオバチャン特有の金属的な笑いが電話越しに突き刺ささる。耳が痛くなってきたので、改めてお礼を言い、
「でわまた…お元気で」
程よく話を切り上げ電話を切った。故郷から名産品を送り続けてくれる姉か…いいなあ。僕もそんなお姉ちゃんが欲しかったな。
しかし栃木から送られて嬉しいものなんてあるだろうか。「しもつかれ」(見た目ゲロ味もゲロな郷土料理)なんか送られてきた日にはバイオテロかと思うし、レモン牛乳もなんか違う気がする。
贈られて嬉しい地元の銘菓といえば「萩の月」と「赤福」が双璧だろう。ということは宮城県か三重県に生まれた後上京し、萩の月もしくは赤福を贈ってくれる明子姉ちゃんみたいな弟思いの姉がいる、というのが最もハッピーなシチュエイションであるな。
でもこのあんこが入った笹だんごとモチモチしたちまきもとても美味しいのでありがたくいただきまんもす。ちなみに娘・R(6才)はちまきが苦手なんだそうだ。きなこ餅は大好きなのに不思議なものである。そんなRを尻目に彼女の分も笹をばんばん開けて食べるのだ。
いつものように笹が開き♪
ちまきなおみ。
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06月17日(金)
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