ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■金なら1枚、銀なら5枚。
夜、仕事から帰って来ると机の上にチョコボールの空き箱が置かれていた。

チョコボールと言えば向井…じゃなかった森永である。森永と言えば今は亡き森永ラブ…じゃなかったエンゼルである。そしてそのチョコボールの空き箱は、なんと銀のエンゼルが当たっていた!

嫁によると、息子・タク(5才)が当たったものであり、

「なんかね、すんごい喜んでいたよ」

ということで僕にも見せたかったのだろう。

「おおー。すげー。実物を見たのは人生で2度目のような気がする」

僕も確かタクぐらいの時に、1度だけ銀のエンゼルが当たった記憶がおぼろげながらあるのだ。

翌朝、起きて来たタクは嫁の言う通り大喜びで

「エンゼル当たったんだよ!今日、先生にもおしえてやるんだ!」

一晩明けた後もまだ興奮冷めやらぬ、といった感じであった。

「5枚集めるとおもちゃのカンヅメがもらえるんだぞ」

と教えてやると

「え、3枚だよ」

「違う。5枚だよ」

「3枚だよ!」

5枚だっつうのに朝から大喧嘩になってしまった。あまりにもタクが自信満々に「3枚」と言うので、不安になって検索してしまった…。

おもちゃのカンヅメの中身は何が入っているのだろうか。子供なら一度は考えたことである。そしてそれを確認出来るのはごくわずかなラッキーな少年少女のみ。

タクも枚数を集めきれぬまま、大人になってしまうんだろうなあ。大人になってしまった今、大人買いしまくり片っ端からチョコボールのくちばしを空けまくることはいくらでも出来る。実際そいういうことをしているブログや、もっと露骨だとおもちゃのカンヅメそのものの画像をUPしているサイトだってある。

でも大人になってからでは遅いんである。この日記を書くに当たって検索してみたらすぐヒットしたので見てしまったのだが、なんかもうガッカリした。

「あ、こんなんなんだ」

みたいな。敢えて例えるならば、昔はアイドルで可愛かったけれども、オバサンになってから脱いだ時の、今更なオッパイを見てしまった感じ…に似ている。

出来ることなら、子供のうちに見たかった。子供のうちにエンゼルを集めることが出来て、自力でゲット出来たおもちゃのカンヅメの中身を見たかった。その時の達成感こそ最高のものであり、同じことを大人になってからやってもダメなのだ。

多分おもちゃのカンヅメそのものはわりとしょぼいのだろうが、エンゼルが当たった、おもちゃのカンヅメをもらった!というレアさに価値がある。子供の頃おもちゃのカンヅメもらったことあるんすよねー、とか合コンの時のツカミにも使えそうだ。

「おもちゃのカンヅメもらったんすけど、銀のエンゼル5枚だったんすよねー。でも今日、初めて金のエンゼルを見つけたっすよ」

「え、どこにあるの?」

「僕の目の前に」

「いやあん。抱いて」

てなことに…ならないか。

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05月13日(金)
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