ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■手のひらをあのように。
昨日の朝、僕のカバンを持ちながら通学路を猛ダッシュで駆け抜けて、大ゴケした息子・タク(5才)。
手のひらの真ん中下あたりの皮が剥け、大泣きしてしまった。その際
「パパがカバン持って走れって言ったから!パパが悪いんだ!」
と泣きじゃくりながら僕に当たりまくっていた。
「ええー。自分から言ったんだろ」
確かに「やれやれ」とけしかけたのは確かだが、
「パパのカバン持ちたい」
「コレ持って走るよ」
最初にタクが調子に乗って言い始めなければ出てこなかったことである。そんなことをギャンギャン泣き叫ぶ息子に言ってもしょうがないのだが…。
多分今日一日は傷の痛みを引きずりながら過ごしてるんだろうなあ…と思いつつ、夜、仕事から帰ってからタクの寝顔と手のひらの傷を確認する。皮が剥けた小指の爪大ぐらいの丸い傷は、赤黒くなっていた。
「タクどうだった?」
と嫁に聞いてみると
「けっこうナーバスになっていたよ」
やはり皮剥けるのって結構痛いんだよね…。お風呂とかでもしみるし…。朝起きたら慰めてやろう…、などと考えながら僕も寝た。
翌朝、目覚ましと共に
「パパー、おきろー!」
タクがドカーンとのし掛かってきた。そして手のひらを広げ、傷を見せ
「ほら、アンクみたいでしょう!ぎゃはははは!」
なんだか非常にテンションが高い。アンクとは、仮面ライダーオーズに出てくる

このキャラのことで、800年前の封印から解かれた怪物である。諸事情により完全体ではなく、腕しか復活出来ていない。そのため人間に寄生しており、いわば寄生獣のミギーである。
アンクもちょうど腕の真ん中にポッチがついており、タクはそれを自分の手のひらの傷に見立てているのであった。
「あはは、そうだなー。似てるなー」
僕もそう笑っていると、
「パパが『カバン持って走れ』って言うから悪いんだよ!」
また昨日の言いがかり再びである。
「いーや、タクが最初に自分から言ったからパパも『じゃあやれ』って言っただけですぅー」
「ぷうー」
タクは口をとんがらせながらも苦笑いし、イタズラがバレた磯野カツオみたいな顔になっていた。
ていうか、全然ナーバスじゃないじゃん。僕は肩すかしを食らってしまった。酉年の鳥頭だけに、一晩寝たらケロッとしてしまったのだろうか。
手のひらだけに、まさに手のひら返し。なんつって。
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04月22日(金)
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