ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■とんでも接吻。
最近忙しくてなかなか子供と接する機会がない。嫁とせっ○すする機会もない。

ちょっと寂しい感じである。接していないから日記に書けるなネタもないし…。朝の出かけるまでの、限られた時間だけは一緒にいることが出来る。但し朝はバタバタで慌ただしい。

「いっしょに出よ」

娘・R(7才)に急かされて慌てて支度をする僕。いってきまーす、と嫁と息子・タク(5才)に声をかけて玄関を出ると

「パパ、手かして」

「ん?」

「手をつないでよ」

言われるがままに手を差し出してRの手を握ると

「うわー、パパの手、あったかーい」

ほお擦りせんばかりにRは僕の手を撫で回す。ああ。ずっとこうしていたいなあ…。手を繋いだまま、仕事から逃げて遠くに行ってしまいたい。Rも学校なんてやめちゃって、デカダン酔いしれ暮らさないか。 白い壁に「堕天使」って書いて…なーんてよォ。

しかしそれは叶わぬ夢であり、現実のこの瞬間は朝の束の間のふれあいなのだ。

「じゃ、いってらっしゃい」

「ばいばい」

1分も繋いでいなかったろう。Rは学校へ、僕は駅への道へとそれぞれ歩いて行った。

で、帰って来た夜中。Rが寝ている布団にモゾモゾと入り、とっとと寝ることにする。ただ、朝ちょろっとしかじゃれ合えなかったことへの物足りなさのせいだろうか、Rの寝顔があまりにも可愛く見え、思わずほっぺにちゅーしてしまった。

すると…Rの寝顔はみるみる不機嫌になり、眉間にはしわが深く刻まれ、まるでうんこを踏んだ時のような

「不快極まりない…」

表情になり、僕がくぢづけしたあたりを袖でゴシゴシと強く拭うではないか!いつもベッタリ甘えてくるRなのに…僕は深く落ち込んだ。実はこの表情の方が本心で、

「ホントは嫌なんだけど…」

僕が悲しまないように敢えて甘えているのではないだろうか…そんなことを勘ぐってしまった。それだけ急激な表情の変化だったんである。

僕は布団から出た。とても眠れる心理状態ではないわ!これがシラフでいられっか!

口づけの後は酒漬けになりそうである。

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04月15日(金)
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