ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■ごめんくさいやさい。
僕は偏食家である。

以前もブロッコリーが食べられないという話を書いたばかりで恥ずかしいのだが、このところやたらと嫁が出してくる苦手な菜っ葉がある。ほうれん草のようだがそうでなく、出枯しのお茶っ葉のような茶色の菜っ葉で、口に入れると腐ってるんじゃないないかってぐらいの生臭さと酸味があって超ダメ。

初めのうちは嫁に残したら怒られると思ったので、イヤイヤ口にしていたが、あまりの不味さに最近は手を付けていない。作ってくれた人に申し訳ないのは重々承知だが、理屈じゃどうにもならず我慢の限界であった。

好き嫌いが多い僕は当然野菜が苦手だ。ただキャベツやレタスといった、わりと味も匂いもひねりがなくやさしめの、野球の球種で言えばストレートな素直な野菜は我慢して食べられる。しかしブロッコリーとかこの正体不明の菜っ葉とか、球種で言えばダルビッシュのフォークボールレベルの変化球のような、野菜嫌いにとっては味・見た目共ひと癖もふた癖もある、即死系の毒草にすら見えるひねくれた野菜だともう手も足も箸も出ぬ。

嫁もそのへんは分かっていて、昔だったらキャベツレタスレベルぐらいの野菜で留めておいてくれたのだが最近は毒草系野菜をばんばん出してくる。これは

「あなたに合わせていたら子供達も偏食家になる」

娘・R(7才)や息子・タク(5才)が僕のようにならないよう気を配り始めたためだ。そうだよな。変化球も打てなければプロにはなれぬ。

今日の朝ご飯でもまたこの菜っ葉が出ており、ちょうどタクが

「たっくん、この菜っ葉にがてだから残しちゃった…」

しかめっ面をしていたので

「パパも残したぞっ!」

思わず仲間!みたいなノリで同意してしまったら

「何言ってんの!これはお父さん(嫁父)が作ってくれた菜っ葉なんだから!」

嫁にズギャアアアアと怒られてしまい、僕とタク半ベソ。一方Rは

「Rちゃんは食べられるもーん。Rちゃんは野菜好きだもん」

優等生なセリフを吐き得意顔。そして

「こないだおじいちゃん(これも嫁父のこと)家に泊まった時も、パパがだいちょうけんさしなきゃならなくなったのは『やさいを食べないから』っておばあちゃん(嫁母)が言ってたよ」

なんてことも言うので僕は口をあんぐりと開けてしまった。だって、大腸検査のことなんか、嫁実家には言ってないのに。

「な、なんでおばあちゃんが知ってるのー!Rが言ったのか!タクが言ったのか!」

「ちがうよ」(R)

「ちがうよ」(タク)

「言ってないし」(嫁)

えー…。じゃあ誰が…。嫁実家は風魔の忍びでも使っているのか。八王子城の近くだし。

「うーん。菜っ葉を作ってくれるお父さんと、料理してくれるお前には申し訳ないのは分かってるが、頼むからもう少しおとなしめの野菜にしてくれないか…」

野球初心者にいきなりダルビッシュの変化球は打てないし、童貞にいきなりア○ルセ○ク○も無理である。いや、大丈夫かも…。ともかく嫁に懇願したのだが、

「ダメよ!こないだドッサリ送ってきたんだから!」

大きめのタッパーにビッシリと菜っ葉が!

「ひいいいいいいいい!」

思わず裸足で栃木の実家まで猛ダッシュしたくなった。僕の偏食の原点、栃木の母の手料理を求めて…。

子供と一緒に野菜キライとか言ってる親なんてダメダメもいいところなのは分かってるんだけど…。正直この菜っ葉があるだけで食欲自体がなくなっちゃうんだよなあ…。しかしいい大人なんだから吐いても食べるべきなんだろうね。嫁父が作ってくれたものだし。どっさりあるし。

気合いを入れて食べるだけに、勇気野菜なんだろうな。なんつって。

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04月03日(日)
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