ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■おしくらまんじゅうこわい
風が冷たい朝。

娘・R(7才)を含む近所の登校グループがが集まっていた。小五、小三、小一の全員女の子。そこに途中まで一緒に行く僕と見送りのママ達と息子・タク(5才)が加わる。

風の冷たさが痛いくらいだというのに、半ズボン姿のタクは元気だ。見ているこっちが寒くなるが本人は平気らしい。絵に描いたような「子供は風の子」

「タク、寒いからおしくらまんじゅうしようぜ」

「うん!」

「おーしくら、まーんじゅー!」

しかし僕とタクのお尻がごっつんこすることはなかった。何故ならば、普通おしくらまんじゅうはお尻を相手に向かってどーんと押し出す、つまり横の動きなのだが、タクのおしくらまんじゅうは何故か縦の動きなんである。ていうか動きがヒンズースクワットなんである。

「タク、だからそれは違うって言ってるでしょう」

もう何回も直させようとしているのだダメである。

「たっくんそれちがうよ」

タクの動きを見てゲラゲラ笑う子もいて、でもタクは笑われてもまんざらでなさそうな顔で

「けへへへへ」

と自分でも笑っていて天然のボケなのかウケ狙いでやっているのかよく分からない。

「ねえたっくん、私とやろうよ」

面白がって横から入って来たのは小五のユカちゃんであった。

「おーしくーら、まーんじゅー!」

「やっぱりたっくん、スクワットー!」

「お尻を下げるなー!」

相変わらずタクのフォームは直らないのでやれやれだぜ。でもユカちゃんとおしくらまんじゅうするのはちょっと照れ臭かった。僕がこの子とお尻を合わせるのってちょっとやばいんじゃないだろうか、みたいな警戒感がなきにしもあらず。決して欲情してしまったとかいうのではない。

その証拠に僕はロリコンである。ランドセル背負ってる世代に欲情するのはロリコンではなくペドフィリアである。しかしそういう目で見る第三者もいるのかなあと思って。

勿論Rや小三の子達とだったら全然屈託なく暴れられるのだが。小五って微妙なお年頃。一緒にお風呂に入っていいものかどうか迷うのと似ている。でも迷うということは僕がユカちゃんを年頃の女の子と見ている証拠であり、やっぱこのご時世やめといた方がいいのかもしれない。そんなことをやっているうちに登校時間となってしまった。みんなゾロゾロと歩き出す。

…って。僕とユカちゃんだけがお尻を突き合わせているから怪しげなのであって(タクはスクワットなので永遠にお尻がくっつかない)、みんなでやればよかったのだ。よし、今度はRも含めて全員でやろう。おしくらまんじゅうでみんな仲良く暖まろう。いつも僕らの前を通って行く先生達も捕まえてしまおう。おしくらまんじゅうだけに、

あなたともっとお尻合い。

なんつって。

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03月04日(金)
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